2014年 教育の拡張の時代
☆今日もおもしろい記事を3つほど紹介。まずは、<「メディア起業家」の時代がやってくる>東洋経済オンライン 1月4日(土)8時0分配信。この中でダニエル・ピンクさんは、次のように語る。
ただ最も変化が速い分野は、現時点で教育分野だと思う。たとえば、ある種のオンライン教育が利用可能になっているが、特に米国では、大学の学位がどの程度価値があるかという疑問が出てきている。グーグルなどは採用時に成績や学歴を聞くのをやめてしまった。というのは、データをとったところ、学校や大学の成績では、入社してから仕事ができるかどうかの参考にならないことがわかったからだ。したがって、教育分野には多くの変化が起こると思う。
☆大学入試改革の話は、レベルや質の違いはあるが、日本だけの問題ではないということを再確認できる見方かな。
☆もう一つは、<人は「育てる」のか、それとも「人は勝手に育つ」のか!?:放置・使い捨てにつながる危険なロジック>という中原淳さん( 東京大学 大学総合教育研究センター 准教授)のYAHOOニュース 2014年1月4日 8時17分 から。
一般に「育つ」という言葉の背景には、実は、もうひとつ「隠された次元」があります。
それは、ビジネスパーソンが「育つ」という言葉を用いる場合、それは「(組織の戦略や目標に合致したかたちで)育つ」ということを前提にして議論していることです。
「育つ」といっても「個人で勝手気ままに、あっちゃこっちゃ、育たれては困るわけ」です。「個人で勝手気ままに、あっちゃこっちゃ、育つこと」でよいならば、話は簡単なのかもしれませんが、それじゃ、困る。「組織目標や戦略」に適合して、育ってくれなきゃ、困る。「本人の伸びのベクトル」が、「組織の求めるベクトル」と一致して、はじめて「育つ」といわれるわけですね。
もし、仮に、それを望むのであるならば・・・つまり「育つ」ということが、組織の目標や戦略に「合致した」方向で生起してほしいのであれば、還元すれば、人々の行動や認知を「組織望ましい方向」に秩序化したいのであれば、やはり「育てる努力(それを是正する努力)」を必要とする、ということになります。
個体とコミュニケーションをとり、組織の目標や戦略を伝え、理解させ、場合によって、フィードバックをかける必要があります。要するに、「育てる」必要があるということですね。そして、はじめて「育つ」。逆にいうと「組織の目標や戦略」も「曖昧」で、理解させることにも「不得手」で、フィードバックもないような場所で、「育つ」も、くそも、へったくれもないということです。
☆「ビジネスパーソン」を「生徒あるいは学生」に、「組織」を「学校あるいは大学」に置き換えると、そのまま読める。
☆そして<「組織の目標や戦略」も「曖昧」で、理解させることにも「不得手」で、フィードバックもないような場所で、「育つ」も、くそも、へったくれもない>ので、中原さんはご自身のブログで2014年の抱負をこう語っている。
第二の拡張は「時間的拡張」です。
これまで僕の研究は、主に、「若年層からマネジャー層に至るまでの職域における能力形成」を対象にしていました。こちらを正式に変更します。
変更後は、「大学生の経験ー就職ー初期キャリアー実務担当者としての成長ーマネジャーへの承認」にまでを視野にいれた「プロセス」を研究の対象にしたいと思います。第四の拡張は「ツール研究への拡張」です。
これまで僕の研究は、実証的な調査研究をコアにしながら、場合によって研修やワークショップの開発を行ってきました。これにツール開発の要素をさらに加味していきます。
今年は、様々な組織と連携しながら、様々なツールを創ります。
☆これは中高のキャリア教育にも言えること。つまり、、「中高の学び―大学生の経験ー就職ー初期キャリアー実務担当者としての成長ーマネジャーへの承認」にまでを視野にいれた「プロセス」をつくっていくことが大切で、この動きがでてくれば、2014年の大学入試改革は加速するだろう。
☆それから、「ツール」。「育つ」環境には、「ツール」が欠かせない。さて、そのツールが何であるか。それは再びダニエル・ピンクのものの見方・考え方に結びつくだろう。
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