2014中学受験【145】 小保方晴子さんのSTAP細胞と中学受験の意味
☆一度分化してしまった細胞が初期化されて、メルモちゃんみたいな姿に戻るなって、進化論を破壊してまうブレークスルーではないか。
☆天動説をひっくり返したコペルニクス的転回だとか、コロンブスの卵だとか科学界が驚天動地、驚愕、騒然・・・いろいろあるだろう。
☆それにもまして、マスコミ的には、リケジョだとか、ワセジョだとか、ムーミンだとか、ファッションだとか・・・。
☆道徳の授業化路線的には、文武両道だとか、頑張り屋さんだとか、モチベーションだとか・・・。
☆ファイナンス市場的には、主力株がほぼ全面安となる一方で、バイオ関連株の上昇が目立ったりとか・・・。
☆ブランド市場では、もちろん小保方さんの身につけている衣服やアクセサリーまでチェックとか・・・。
☆商魂たくましい日本である。それはそれで小保方さん本人にかかわりがないことかもしれないが、明るいニュースは大いに結構ではないか。
☆しかし、アベノミクスの手詰まり感がでてきたし、明日からは東京・神奈川エリアの中学入試。
☆まずはニュースより、自分の子どものことだろう。
☆ただ、小保方さんが、どのように知識基盤社会につながっているのかということは、念のため確認しておいた方がよいだろう。ワイドショー的なキャラクターについては、とりあえず、こっちに置いておいて。
☆さて、小保方さんのWikipedia記述は、この一日で随分進化したが、それによると、
1983年、千葉県松戸市出身。松戸市立第六中学校2年在学時、青少年読書感想文千葉県コンクールで教育長賞受賞、松戸市立第六中学校、東邦大学付属東邦高等学校を経て、2002年4月、AO入試によって早稲田大学理工学部応用化学科入学。2006年3月、早稲田大学理工学部応用化学科卒業。在学中は体育局ラクロス部に所属。ポジションはAT(アタック)であった。
学部では微生物の研究を行っていたが、指導教授からのアドバイスで、早稲田大学大学院に進学すると専門分野を転向し東京女子医科大学先端生命医科学研究所研修生としてのちに論文の共著者となる大和雅之東京女子医科大学教授の指導の下、医工融合研究教育拠点である先端生命医科学センター(TWIns)にて再生医療の研究を開始。早稲田大学大学院理工学研究科応用化学専攻修士課程修了、早稲田大学大学院先進理工学研究科生命医科学専攻博士課程修了。博士(工学)(早稲田大学)。学位論文「三胚葉由来組織に共通した万能性体性幹細胞の探索」(2011年3月)。
2008年の大学院博士課程1年在学中から2年間ハーバード大学医学部のチャールズ・バカンティ教授の研究室に留学し、同研究室でSTAP細胞の着想を得た。
しかし、他の研究者からなかなか相手にされず共同研究者がみつからなかったところを、若山照彦理化学研究所チームリーダー(現・山梨大学教授)が評価、共同研究を申し出、2011年に理化学研究所客員研究員に着任。同年若山との共同研究で、STAP細胞からできた細胞を持つマウスの作成に成功。論文は一旦リジェクトされたが、笹井芳樹副センター長らの支援を受け、研究を続け、2014年1月29日、小保方をリーダーとする研究ユニットなどがiPS細胞とは別の新万能細胞STAP細胞を世界で初めて作製したことを科学雑誌『Nature』(Nature 505, 641?647 ページ および 676-680 ページ, 2014年1月30日号)に発表した。
☆なんて、コンパクトで無駄がないのだろう。Wikipediaは、まさに知識基盤社会のシンボルだ。それはさておき、
①「松戸市」「東邦大学付属東邦高等学校」は、児童生徒時代の「理系環境」のメタファー。
②「青少年読書感想文千葉県コンクールで教育長賞受賞」は、書物との出会いを示唆。リベラルアーツの準備のメタファー。
③「AO入試によって早稲田大学理工学部応用化学科入学」は、新しい学び、新しい評価、1点刻みのテストの突破口などのメタファー。
④「体育局ラクロス部に所属。ポジションはAT(アタック)であった」は、多才はグローバルリーダーのメタファー。
⑤「学部では微生物の研究を行っていたが、指導教授からのアドバイスで、早稲田大学大学院に進学すると専門分野を転向し東京女子医科大学先端生命医科学研究所研修生としてのちに論文の共著者となる大和雅之東京女子医科大学教授の指導の下、医工融合研究教育拠点である先端生命医科学センター(TWIns)にて再生医療の研究を開始。」は、教科横断的視点、学際的視点の重要性、コラボの重要性を示唆。
⑥学位論文「三胚葉由来組織に共通した万能性体性幹細胞の探索」(2011年3月)は、探究学習、プロジェクト型学習の重要性示唆。
⑦「ハーバード大学医学部のチャールズ・バカンティ教授の研究室に留学」は、東大学歴ピラミッドの無力さを示唆。
⑧「他の研究者からなかなか相手にされず共同研究者がみつからなかったところを、・・・・・・科学雑誌『Natureに発表」は、試行錯誤とパラダイム転換のメタファー。
☆かくして、知識基盤社会において、小保方さんがつながった、探求のリンクスは、決して小保方さん独自のリンクスの方法ではなく、すべての子どもたちに開かれている。
☆そのことを知っている探求の場に進むことが、つまり、21世紀型教育を目標にしているところを選択することが肝要であると時代は呼びかけているのであると認識することが重要である。
☆小保方さん自身は、その環境がはじめからあったわけではない。チャンスを自分でつないでいったのである。だから、中高時代の話題はあまり強くでてこない。そういう環境にあったのではなく、なかったから自分で作り出していっただのだろう。
☆当時AO入試にチャレンジすること自体、自ら東大学歴ピラミッドから離脱したいというリスクテーカーだったということを示唆している。
☆しかし、今の時代は、その環境がかなり整いつつある。小保方さんに続くというより、小保方さんが確立してくれた財産を、どのように有効に使い増やしていくかを考えたほうがよいだろう。
☆中学受験生にとっては、そんな明るい未来の話である。どうか今まで培ってきた力を発揮してほしい。
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