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スーパーグローバルハイスクール(SGH)のメタファを読む(01)

☆今月14日三田共用会議所で、平成26年度の――つまり今年4月からだが――スーパーグローバルハイスクール(SGH)の公募説明会が行われた。今回は50校程度の応募をということのようだ。

☆高校の話だから、中学入試や大学入試には関係がないというわけではない。また、SGHに応募しない学校のほうが圧倒的に多いので、大勢に影響はないということでもましてない。

Sgh

(昨年8月のころの構想。予算や応募校数などの変更はあるが、コンセプトは変わらない。ただし、グローバルな社会の問題を解決するリーダーとグローバルなビジネスで活躍するリーダーという明快な内容になってきた)

☆結論先取り的に言えば、SGHが次期学習指導要領のモデルになるということで、SGHをバックキャスティング的な感覚で設定して、それに向けて小中学校の学習指導要領も改訂する。

☆また大学入試改革にも、うまく高大接続ができるように変えるカリキュラムモデルにするということ。

☆すなわち、グローバル人材育成教育、大学入試改革に適合するように初等中等教育・高等教育のカリキュラムイノベーションを行うということなのである。

☆だから、これについていけない学校は、予め選択しないというのが、今の中学受験生や高校受験生には重要な選択条件となるのである。

☆高校はまだだろうと言われているが、2018年前後にはセンター入試が廃止されるという予定になっているのに、英検準1級、SGHの表現で言えば、CEFRのB2レベルであれば、英語のセンター試験は満点とみなす構想などが持ち上がっている。

☆では、この構想いつやるのかというと、今でしょということになる。2018年を待たずに、部分的に前倒しになってくるのだろう。

☆英検2級で、奨学金が給付される大学は既にあるわけだから、この動きが加速するのは当然だろう。今の高校生には全く関係ないということはないのである。

☆ともあれ、文科省初等中等教育局長前川喜平氏は、SGHについてこう言っている。

文部科学省では、将来、国際的に活躍できるグローバル・リーダーを育成するため、グローバルな社会課題を発見・解決できる人材や、グローバルなビジネスで活躍できる人材の育成に関する教育課程等の研究開発を行う高等学校及び中高一貫教育校を新たに「スーパーグローバルハイスクール」に指定し、国内外の大学や企業、国際機関等との連携による質の高い教育課程等の開発・実践やその体制整備を支援することとしました。

☆そして、SGHの実施要項の文章では、こう言い換えられている。

スーパーグローバルハイスクールにおいては、グローバルリーダー育成に資する教育を重点的に実施し、これに関する教育課程の改善に資する実証資料を得るため、現行教育課程の基準の下での教育課程の改善に関する研究開発のほか、学校教育法施行規則第85条(同規則第108条第2項で準用する場合も含む。)並びに第79条及び第108条第1項で準用する55条に基づき、現行教育課程の基準によらない教育課程を編成、実施して研究開発を行うことができる。

☆いっぱい条文箇所が引用されているが、これはすべて小学校から中学の場合にも通じる場所を準用しているからであるが、かように、今回のSGHは、高校の話であるが、小中にも将来転用されると予想するのはそう難しくないだろう。

☆そして、

「現行教育課程の基準の下での教育課程の改善に関する研究開発」

「現行教育課程の基準によらない教育課程を編成、実施して研究開発」

☆を行うというのがねらいであるから、次期グローバル教育学習指導要領改訂への礎であることに間違いはない。

☆さて、そこで私立中高一貫校であるが、今まで非常に曖昧なところがあった。おもしろいことに、1998年に学校教育法が改正され、公立の中高一貫校が誕生するわけだが、その法律は、改正前からすで存在していた私立中高一貫校のシステムを考慮していないと受けとめられかねない危うさがあった。

☆そのため、私立中高一貫校のシステムがすでに慣習としてあったにもかかわらず、法解釈によっては、そのシステムが実行できないおかしな話がおこった。その象徴は未履修問題である。

☆しかし、このことは、日本中学高等学校連合会会長吉田晋先生と一般財団法人東京私立中学高等学校協会会長の近藤彰郎先生の長年の努力によって、氷解することが、昨年末明らかになった。

☆東京私立中高一貫校をはじめ、多くの私立中高一貫校は「併設型」中高一貫校として慣習法的なレベルではなく、成文法的なレベルで、今までと同じように教育活動ができることがはっきりしたわけである。当然未履修の問題はおきない。

☆これによって、「併設型」となる私立中高一貫校は、すべてSGH以上の教育をデザインすることができるようになる。

☆したがって、SGH校でないからといって、質が劣るかというとそういうことはないのである。

☆しかしながら、SGH校でなく、従来の20世紀型教育を行い続ける学校は「併設型」でも教育課程を変えない学校であるから、質的にはSGH校に比較すれば決して良質であるとは言えなくなる可能性がある。

☆今までのスーパーイングリッシュランゲージハイスクールとか学力向上フロンティア校とは、教育課程の一部を特別に開発するプログラムだったが、今回のSGHは、教育活動全体の話であることから、SGH校ということは、ある意味質の高い21世紀型の学校であるというアクレディテーション(認定)を文科省からもらうようなものなのである。つまり、お墨付き!

☆もちろん、莫大な予算がでるから、きちんとやらなければ途中で契約は破棄される。逆に言えば、SGH校は、それだけ、覚悟があるということになる。

☆問題はSGH校でないが実質SGH以上の教育をやっている学校ということである。これは残念がら公立の場合、中高一貫校か国立大学附属しかできない。やろうと思えばできるが、そこまでの条件が現場にそろっていない。

☆つまり、今までは心ある先生が孤軍奮闘してやっていれば、ある程度その学校の教育の質は高いと見えてきたが、SGHは、大学、企業、国際機関などと契約という法的な関係も含めて連携するわけだから、個としての教師の力量だけではなく、学校全体が学習する組織になっていることが問われる時代がやってきたのである。

☆そういう意味では、公立学校の場合は、現場にその動きを作る条件が整備されていないのである。

☆しかし、先述したとおり、私立学校の場合は、基本が学習する組織で動いているから、やろうと思えばできるし、それをやらないと生徒が集まらなくなるのは火を見るより明らかであるから、動かざるを得ないだろう。

☆さて、その時である。どこまで動いていればよいのか、どんな質であればよいのか、今までの学校選択情報では判断できない。

☆そこで、SGHの公募要項を読み、アクレディテーション(認定)の項目を明らかにすることが必要になる。

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