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2015中学受験 ノーブレス・オブリージュかヤンキー文化妥協か 

☆昨週のホンマノオトのブログ記事ベスト50を掲載したが、「筑駒と開成の違い」がトップだったのは、昨週11日、両校が同日招集を実施したから、どちらにするか念のためサーチしてみたら、こういう記事があったということだろう。

☆塾の合格比較は、塾関係者がおそらくみたのだろう。何せこの時期受験市場の動向をみる一つの指標であるから、当然だ。

☆そんな中で、<2014中学受験【149】 好対照な時代認識の海城と本郷の入試風景 >と<2014中学受験【151】 鴎友学園女子を迎え撃つ聖書で挑む女子学院>がランキング10位以内に入っていたのは、それぞれの学校の人気が高いからという理由のほかに、受験市場の変化を感じている人が多いということも示唆しているだろう。

☆海城と本郷の話は、ノーブレス・オブリージュという世界の痛みを引き受けるリーダーシップを大切にする価値観を「志向」するか、とりあえず大学進学実績の良い学校で、自分がサバイバルすることを優先し、世界の痛みはそれからだという合理的な価値観を「嗜好」するか、中学受験市場の中に意識が芽生えてきたのではないか。

☆鴎友学園女子とJGの話は、どちらがより本物のリベラルアーツ校か興味があるということではないか。

☆いずれにしても、このような本物教育に対する志向性の話題は、高校入試や大学入試では、まずでてこない。というのも高校入試は、全国の中3のほぼ全員の話だし、大学入試も全国の高3生の50%の話である。

☆ところが首都圏の中学受験は、全国の小学校6年生の3%の話である。教育の特異点のエリアの話なのである。

☆とはいえ、ノーブレス・オブリージュやリベラルアーツのような本物教育の話題だけが中学受験で話題になるのではない。

☆いずれも古いが、ランキング入りしているのが次の記事である。

2013中学受験【110】 山脇学園の人気と持続可能性
2013中学受験【06】 東京都市大付属 来春も人気
成城中の人気 ポテンシャルに期待かかる

本郷と同じ目的合理主義という価値観を嗜好する学校の記事である。これらの学校は、すでに中学受験市場の50%をシェアしている(週刊東洋経済的には)「隠れヤンキー」の価値観嗜好の消費者のターゲット校である。

☆ノーブレス・オブリージュでいくかヤンキー文化と妥協するか、ヤンキー文化を逆手に取るか。実に興味深い局面である。

☆中学受験の大衆化は、結局隠れヤンキー文化の包摂だった。私学は、その受験市場とどのように折り合っていくか、つねにパラドクスを抱えながら教育をおこなってきた。

☆しかし、隠れヤンキー文化は、高度スキルや高度な知識を持つ人材育成機関を制限してきたことによって、賃金圧力という年収格差が生まれたことによる結果である。

☆だとするならば、目的合理主義の学校こそ、イノベーションを起こせば、隠れヤンキー文化を嗜好する層が、ノーブレス・オブリージュに転換することはたやすい。

☆イノベーションというと、すぐにICTとなるが、それは一部に過ぎない。それよりも生徒がもとっとも時間を費やす授業そのもののイノベーションであろう。

☆カリキュラムイノベーション!これが真髄ということになる。のではあるまいか。

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