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2015中学受験生のために【006】 慶應中等部の問題で、なぜ「思考力」なのか考える②

☆今年の慶応中等部の図形の問題を見てみよう。

Keio2

☆角度や面積を求めるわけだが、一見するとすんなり解けない。どれも直角三角形の条件を「置き換え」ていく「操作」が必要。しかし、この「置き換え」ができればあっという間に解に行きついてしまう。

☆図1では、x角の頂点に正方形の頂点2箇所から補助線を引くと直角三角形がでてくる。これも条件を直角三角形に「置き換える」という真正の「思考力」の方法を使うだけの話。補助線は闇雲に引けばよいいというものではないし、閃きというわけでもない。

☆半円がでてきて、角度がでてくれば、それは直角三角形の条件が示されていると考えればよいわけだ。そして、もちろん、「直角」というのが計算のポイントになる。

☆図2では、面積を求める正方形以外に2つの正方形があることはすぐにわかる。そうすると、この2つの正方形を「比較」すればよいのだ。すると、大きな正方向と小さな正方形の差は、直角三角形4個分の差であることわかる。それぞれの正方向の面積はわかるから、その分をさらに小さな正方形から引けばよいだけだ。

☆いずれも、条件を「置き換え」て、「比較」すると解けてしまう。「置き換えて」「比較」するとは、結局「比較」して、さらに「比較」するという、比較の重層構造になっているから、慶応中等部の算数は考えさせられるのである。

☆図3も下記のように補助線を引けばよいというのはわかるだろう。

Keio5

1)円とくれば、中心と円周の関係だから、半径が等しいということを「置き換える」。

2)等しいということから、二等辺三角形ができるが、これは二つの角が等しいと「置き換える」。

3)すると、直角三角形が正三角形の片割れであることがわかる。

4)これで2つの頂角が15度の三角形の高さがわかるから、その三角形と30°の扇形の面積は求めらる。あとは引き算。

☆このように、条件を「置き換え」て、見える化された図形どうしを「比較」していくと解けるわけだ。

☆入試問題としては解ければよいわけだが、ふだんトレーニングするときは、この「置き換え「」の視点や「比較」の視点を明快に意識すると、算数の解法のテクニックのバックヤードの真正「思考力」を鍛えることもできる。

☆もっともそれを1人でやることはなかなか難しい。かといって、塾でそんなまどろっこしいことをしている時間があるかというと、解法のテクニックを憶えるトレーニングをすることに時間が費やされてしまいがちである。

☆これは塾の責任ではない。日本の学習指導要領の問題なのである。各教科のバックヤードである「思考力」を養う教科がないのであるから、仕方がない。

☆IB(国際バカロレア)では、TOKという真正の思考力そのものを養う授業が存在している。イギリスやアメリカでも、Thinking about Thinkingを学ぶ教科がある。フランスでも「哲学」がある。

☆リベラルアーツというのは、そういうものである。私立中高一貫校の中には、21会校のようにこのリベラルアーツを大切にしているところがある。そこに新6年生の未来の種がある。

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