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アンケートご協力ありがとうございました。(2)

☆PBLの授業化と今回のアンケートがどう関係するのか?それはこのアンケートシステムがポイントなのです。

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☆PBLで大切なのは、チームビルディングです。これがうまくいかないと、モチベーションはあがりません。そしてチームは学習する組織にしなければなりません。

☆これについては、ピーター・センゲの「学習する組織」が随分前に邦訳されていて、非常に参考になりました。ただし、コミュニケーションを論理的で創造的で、寛容性豊かに、オープンにする方法は、この本には書かれていません。

☆それには、心理学的発想が必要になります。その中で、コーチング手法は学習する組織にはあまり役に立たないということが実践しながらわかりました。

☆ファシリテータ的手法がよいということもわかりました。しかし、そのときチューターの存在が必要です。ファシリテータは、その名の通り、媒介する物や人にアフォーダンスという機能を付与する役割です。

☆アフォーダンスというのは、たとえば、カタイ椅子という媒介項を店におくと、回転率が高くなるというようなマーケティングにも活用されているし、コンセプチャルアートのように、路上にわけのわからないオブジェをおくと、人がいろいろな好奇心をもって、面白い行動やコミュニケーションがそこに生まれ、非日常場が生じるという現代アートにも使われます。

☆建築家はこの手法は昔から大好きですね。ですから学習空間もこのアフォーダンスの手法が取り入れられています。

☆そのような媒介項が、媒介項に接した人間が、思ってもみなかったような気づきやアイデアを内側らから発生させるという内生的変化を生み出すというコンセプトです。

☆ですから、ファシリテータというスーパーバイザーはチューターにあるときは何もしないで参与的観察に徹しさせたり、あるときは編集方法のモデルを提示させたり、学習空間を自在にアフォードしていくわけです。

☆重要なのは、ギリギリまで教えないということです。チューターのコミュニケーションは、自分そのものが媒介項ですし、情報は提供するだけで、教えないということです。

☆できるだけ、提供した情報を生徒どうしが語り合って、取り込んでいくというスタイルですね。

☆しかし、取り込めないときもあります。インターネットをサーチしても、コピペになってしまう時もあります。しかし、それでもインターネットも媒介項になります。かなり教え込んでしまうWebティーチャーではあるのですが、そのときファシリテータは、コピペであることに気づいてもらうために、チューターどうしで話し合わせます。

☆すると、チームによって、コピペの度合いが違うので、その差をァフォードするイベントを実行します。その場で、チーム同士プレゼンをさせたり、他のチームのチューターに相談する面談時間を設定したり。

☆ここでは、スーパーバイザーがエスノメソドロジーの手法をトレーニングしておかねばなりません。これは難しいですね。結局、宿泊型だと一日終わって、やっと自己評価をします。そして多くの場合、安心するのは、自分たちは、リサーチの仕方がコピペであったという自覚があることを確認できるからです。

☆これを、君らはコピペをしているじゃないかと指摘すると、モチベーションは下がりますし、どうしてよいかわからなくなります。

☆コピペによって、それでも事実を深く掘り下げるところまでいくと、初めて問いが立ちあがる場合が多いので、その意識がでてくるかどうかがポイントです。

☆もしも、掘り下げが十分でないのに、コピペはダメだと注意をすると、掘り下げるのをやめてしまい、適当に時間内に編集してプレゼンに間に合わせる作業になってしまいます。

☆さて、しかし、その日のプログラムがが終わるまで、自己評価をしないとなると、心配になりますから、スーパーバイザーはチューターと対話し続けます。しかし、チームが20組みくらいになると、その対話には偏りが出来てしまいます。

☆これをどうするのか?いろいろ手法を試みましたが、人的資源がかかりすぎて、コストがかさみます。経営陣からは、そこを指摘され、コスト削減を命じられます。

☆ここには、2つ問題があります。

1)エスノメソドロジーは、ガ-フィンケル教授のものを読まなければなりませんが、会話分析をする長大な時間をかけられません。また、ガーフィンケル教授の考え方を学ぶには、現象学的社会学かハーバーマス教授のコミュニケーション行為論かが必要です。これについては、Honda発見体験をデザインしていた時に、親会社が交流分析スタイルとPAスタイルを要求してきたので、スタッフと勉強会するのが難しかった経緯があります。

そこで、いっさいそれらの研修をしないで、しかし活用できるようにする脱技能として、生徒が自己評価を入力して、それをその場で分析する振り返りシステムを作ったのです。その振り返りシステムの活用・分析方法については研修をします。もちろん、ガーフィンケルもハーバーマスもでてきません。

2)しかし、一日が終わってから、入力するのでは、ポートフォリオにすぎず、プロセスフォリオをデータで集めることができません。そこはいつも賭けになるわけです。

☆こうして、エスノメソドロジーの見識研修とプロセスフォリオのシステムをいかにしたら可能になるのかと考えていたら、電子黒板とか電子書籍とか、タブレットとかが広まり、オバマ大統領や荒川区などで、生徒1人ひとりに貸与するという話になってきたではありませんか。

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