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2014中学受験 緊急座談会!⑤ 第Ⅱ部

本間)帰国生入試が大きな柱になるということですが、鈴木さんは海外帰国生教育研究家として、大学入試だけではなく中学入試も詳しいわけですが、今のお話しはどのように考えればよいでしょうか。

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鈴木氏)帰国生入試が大きな柱になるというのは、おそらくボリュームの話ではないと思います。たしかにかえつ有明は、1クラス分くらいの規模になってきましたが、やはり規模を支えるのは、一般生でしょう。

しかし、大きな柱になるというレトリックは意味があります。まず従来の帰国生の多くは、麻布や開成、駒場東邦を、一般受験生として受験します。何せこれらの学校は帰国生入試がないから当然です。

これは、これらの学校がブランド力があって、だからねらうということもありますが、これらの学校を目指す中学受験の勉強と帰国時代の学びがある程度一致するわけです。算数を見ても、細かい計算問題や一行問題が出題されるわけではなく、かなり骨太の思考力問題でしょう。

大学入試に置きかえれば、センター試験レベルではなく、東大の思考力・応用力・表現力を要する問題のイメージです。

本間)他の学校の帰国生入試でも、たとえば、渋谷教育学園渋谷や聖光、攻玉社など帰国生がたくさん受験する学校でも、国算型を選べますよ。それとどう違うのですか。

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鈴木氏)問題の質が全く違います。中学入試問題で、麻布、開成、武蔵などと同じような思考力や応用力、表現力にチャレンジできる問題は、かえつ有明や聖学院、工学院、文化学園大学杉並、土浦日本大学中等教育学校などの「思考力テスト」や「思考力型テスト」でしょう。

問題の難しさは、違うかもしれません。しかし、思考のプロセスを、理解→応用→統合→創造というステージを登っていくという点では、他の学校の模擬試験型とは違うと思います。

つまり、何を言いたいのかというと、帰国生入試の傾向が、英語の「思考力テスト」型になるということですね。渋谷教育学園幕張やかえつ有明、聖学院はすでにそうなっています。忘れてならないのは、海城です。麻布や開成をもしかしたら乗り越えてしまうプログラムが存在しなければ、他の学校では真似できないようなあのような帰国生入試はできないでしょうから。

だから、海城、かえつ有明や聖学院、工学院は、中学入試の国算型テストの準備をしていない英語で勝負の帰国生の併願校になるわけですよ。海城やかえつ有明の場合は、高度な英語力も必要でしょうが。

本間)なるほど。海外経験者でないのに、英語が出来る生徒もいます。でもその生徒は必ずしも英検2級は取得していない。3級や準2級は持っている。そういう生徒はかえつ有明や海城には手が届かないかもしれない。しかし、その生徒が「思考力テスト」や「英語の思考力テスト」の入試があれば、そのチャンスを活用するということですね。

鈴木氏)その通りです。そして、おそらく東大もはいれるようになるでしょう。それは東大や一橋、早慶上智に進学した帰国生の中高時代を聞けばわかりますよ。日本の受験システムとはまったく違うわけですから。21会が今15校あるわけですよね。ここ2、3年で、21会校から東大20名くらい出るのではないですか。今でも、東大京大レベルの海外大学も合わせれば、すでに10人以上は輩出しているわけでしょうから。

私はシンガポールで中学受験生を教えていた経験もあります。当時はまだシンガポール幕張があったころですから、帰国生が国内生と同じ受験勉強をしているのは、どこか違和感を感じていました。

夏になったら、夏期講習を受けに日本に帰る生徒もいます。これももったいないですよね。海外の経験をたくさん積んで、日本に帰ってくる生徒を受け入れる中学や高校こそ、グローバル時代にマッチした学校です。

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今私は、スカイプ授業でIBの生徒のコーチをしていますが、頼まれれば中学受験の帰国生ともコミュニケーションできます。だいたい、インタビューしていれば、その生徒の思考の幅や発想の幅がみえてきます。

IBのディプロマに限らず、欧米の高次思考を育成するプログラムというのは、実によくできていて、質問がきちんと、思考のプロセス別になっている。どの質問にどのように回答するかで、力を測ることができます。

その際、正しい解答が一つあるわけではないのです。すべてプロセスが大事で、そのプロセスがいい加減だと、解答が合っていても意味がないのです。逆の場合は意味があります。プロセスはロジカルだけれど、計算が違っていれば、インタビューでは、ききなおせばよいわけです。それで、あっ、ここが間違っていたと回答できれば、メタ認知能力があるということになるでしょう。

本間)なるほど。帰国生が1つの大きな柱になるというのは、入試問題のスタイルを大きく変容させ、一般入試にも影響を与えるという意味なのですね。

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北氏)先ほども言いましたが、若い塾の講師、受験生の保護者も、自分たちの生活環境から考えても、そういう方向性を歓迎するはずです。来年はそういう方向に舵を切る学校とそうでない学校で、二極化が進むでしょう。

本間)今までは、偏差値が50行くか行かないかで二極化が起きるという言い方がされてきたけれど、そうではなくて、グローバルスタンダードの教育に舵を切れるかどうかで二極化するということですね。

鈴木氏)しかし、結局そうなれば偏差値が変わるだけで、偏差値は残りますね。というよりも、偏差値は学校の評価でもなんでもないのに、どこかで誤用されてしまった。

本間)それが中学受験の大衆化と呼ばれてきた理由でしょう。だいいち、子どもを偏差値でカテゴライズするなんて、21世紀になって、真正民主主義社会を考えていく段になれば、人権問題になるかもしれませんね。

だから、偏差値で二極化するなんて言い方をすることは、慎重にならざるを得ない世界観が拡大していく。そういう影響力を帰国生の受け入れは意味しているということでしょう。もうしばらくしたら、さらに情報が集まってくると思いますから、第2弾、第3弾の座談会をやりましょう。今度は海城の中田先生にも頼んでみましょうか。

今日はありがとうございました。これから第三部でディープな話で盛り上がりましょう(笑)。本当にありがとうございました。

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