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2014中学受験 緊急座談会!③ 第Ⅱ部

本間)第Ⅰ部では、石川副校長に、かえつ有明の国際教養とサイエンス科に埋め込まれている思考のソフトパワー形成教育の一端についてお話していただきました。その教育の信頼性が受験市場に支持されてたということだと思います。1つのロールモデルとして、今年の中学受験市場や今後の中学入試の動向についてお聞かせください。北さんは、この間、多くの学校や塾などの研修会で講演されていると聞き及びます。

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北氏)まだまだこれからですが、幸い首都圏模試センターのワーキングチームのメンバーでもありますから、データ的な側面と現場の実感のズレを複眼的に見ることができるのは、お2人とは違うところかもしれません。

鈴木氏)そこが重要ですよね。本間さんはともかく、私は、やはりどうしても現場からの視野に限られますからね。

本間)私も、今では、模試関係の全体的なデータにかかわれませんから、どうしても現場の先生方と授業の研究やインタビューを通しての、かっこよくいえばフィールドワークの情報ですが、かなり限られています。ぜひ北さんのその複眼情報に学びたいと思います。

北さん)いやいや(笑)、ともかく、中学受験市場というのは、新しい大きな局面を迎えていることは確実ですよ。1985年ころから、中学受験が首都圏のマーケットとしてスタートします。校内暴力、学級崩壊としばらく続きましたから、私立中学のムーブメントが起こったことは記憶に新しいでしょう。私たちは(笑)。

本間)その通りです。マーケットがなければ、中学入試情報センターができなかったでしょうし、情報センターができたからマーケットができたと言ってもよいかもしれませんね。北さんは、センター立ちあがりのときからメンバーでしたね。

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北氏)そうそう、本間さんたちが、コンピュータでコーディングという質的リサーチのプログラムを開発して、中学入試問題を偏差値ではなくて、思考のステップでカテゴライズして、それをカリキュラムテストのデータに組み入れて、偏差値が低い場合でも、どのステップの思考力を鍛えれば、一人ひとりの生徒が伸びるかやっていましたね。学校情報と入試情報(入試問題も含め)の両方を取りまとめていたので、その時の情況覚えています。

本間)偏差値でいえば、55や57の受験生が受けたいと言えば、麻布や開成に向けて指導しなければならなかったですからね。神奈川の塾でしたから、東京に打って出るにはそうするしかなかったという必要から生まれた発想でしたが。

先ほど鈴木さんから、センター試験の得点はとれなくても、思考力・応用力・表現力で東大に合格する帰国生の話がありましたが、同じようなケースがたしかにあった。偏差値55と65でも、思考力・応用力・表現力では、65の生徒よりも容量が大きい生徒がいるわけですよ。だから、55の受験生が合格して、奇跡だとみな喜び、65の生徒がうまくいかなくて、こんなはずではと悔しがっていましたね。

北氏)灘の日置先生と話をして、「入試問題は学校の顔」という表現をもらってきたのも1980年代後半ですよね。それ以来、学校情報と入試情報、つまり学校の結局は中身をいかにリサーチするか追跡してきました。

神奈川から東京に中学受験が広がったとき、そのまえに津田沼から東京に中学受験が広まりつつあったので、1990年代は前半までに、中学受験市場の基盤ができました。

バブル崩壊前夜だったし、先ほども話がでていましたが、田園都市線・東急線は、堤対五島の電鉄戦争が、百貨店大競争に変容し、渋谷がその拠点となっていましたから、山手線から田園都市線・東急線へと、中学受験生層の居住地がシフトしている時代だったということもありますね。

本間)それが大井町線とりんかい線が大井町で乗換駅としてつながったから、豊洲への人口が移動しはじめたわけかあ。

北氏)それもあって、神奈川エリアの中学受験市場は成熟期に入ったとみなしてよいかもしれません。今年の神奈川エリアの中学受験は低迷していましたから。バブルがはじけて、1988年1989年の私学危機時代も、まだ豊洲の開発は本格化していませんから、神奈川エリアの私立学校は乗り越えることができた。神奈川拠点の中学受験予備校もしっかりと根を広げていましたから。

中学受験の大衆化が生まれたのも、その時期です。ですから、わかりやすさ、受けやすさ、学校と塾のフラットな関係を広げていました。その時代は、嘉悦さんは女子校で苦しんでいた。創意工夫というソフトパワーをベースに、大衆化路線にもアンテナを広げて、今日を築きあげたというのがわかります。

しかし、そのときそれをしなくても受験生を集めていたところは、また公立中高一貫校のようなPISA型のソフトパワーを形成できなかったところは、リーマンショック以降、人が集まっていません。二極化が決定的になりました。

本間)でも、今までとは違う二極化ですよね。どこが違うのでしょうか。

北氏)そうなんですよね。出願数を見ている限りは、世田谷学園のように減らしているところがある。どうなってしまうのだろうと思いましたが、実際には偏差値の高い生徒の歩留まり率がよい。だから、安定しているわけですよ。世田谷学園は、そういう意味では、二極化で勝ち組に入るわけですね。

ところが、その傾向が、出願数が極端に少ないところでも起こっている。そうすると、二極化が起こっているのに、危機感があまり芽生えないという状況が今年の中学入試の傾向ですね。

本間)結果偏差値なるものがでたらどうなるのですか?

北さん)そこなんですよ。歩留まり率がよくても、結果偏差値はよくない結果になります。そうすると、それを塾の偏差値がおかしいと感じるかやはり真実を見ようとするかで、2015年の中学入試は大きく動向が変わるでしょうね。サンデーショックの年でもありますから、見た目の出願は活況を帯びますから、なおさらですよ。

本間)来年は、決定的に二極化が決まるということですね。

北氏)淘汰という呼び方が大学受験でもでてくるようになっています。そちらの方向は、中学受験でもちらちらでてきていますね。2018年以降18歳人口が激減するときに、それがはっきりするのでしょうが。

本間)4年後。東京オリンピック・パラリンピックよりも前に。こわいですね。

北氏)こわいですよ。

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