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2015中学受験生のために【064】 選ばない方がよい学校

☆学校選択の季節がやってきている。毎週、どこかで学校説明会や合同説明会が頻繁に起こっている。

☆そのときに注意すべきことは、小学校6年生や受験生の保護者に優しく話さなければならないという配慮をしている学校である。

☆ある程度、わかりやすく話すことは重要であるが、わかりやすく話すことが目的になっている学校がある。

☆父親はわかるかもしれないが、母親や受験生には、難しすぎるという話をよく聞く。

☆ところが、この間お会いしたお母さんは、ご自分が仕事を持っていて、グローバルな動きを実感しており、グローバルだとかIB型思考力の話は、あまりに当然で、その条件下で、最適の学校を選びたいと話されていた。

☆中学受験市場の中で、このような母親の眼差しに適う学校が選ばれるのだから、つまり、見えざる手が働くのだから、私がとやかく言う必要は全くない。

☆ただ、首都圏に私立中高一貫校がこれだけ集積しているエリアは、日本だけではなく、世界でもたいへん珍しい。歴史的にもおそらくかなりの意義がある。将来、世界遺産になるかもしれないぐらい意味のある教育文化が広がっているのである。

☆であれば、集積が教育イノベーションを生み出すわけだから、世界に教育貢献をする使命があるのではないかと思う今日この頃。

☆欧米では、科学の最前線を、難しいからと言って市民に説明しないことは民主主義を根本から崩すことになるという認識がある。それゆえ、科学コミュニケーションといって、科学の最前線を子どもたちが理解できるように、プレゼンしたりワークショップを行う活動が盛んである。

☆そのとき共有するものは、知識ではない。最前線の科学の知識を生み出している「構造」そのものである。だから体験学習やレゴなどの道具が有益だということになる。

☆聖学院、工学院、かえつ有明など「思考力セミナー」を説明会のときに同時開催している目的は、まったく科学コミュニケーションと同じなのである。

☆IB型思考力を科学コミュニケーションしましょうということ。今年からは、富士見丘、桜丘、聖徳学園、文化学園大学杉並などもIB型思考力テスト(名称はいろいろだろうが)を行っていく予定である。

☆多くの私学で「適性検査型」入試を行っている。生徒募集の戦術としては奇策であろうが、最近おもしろいのは、「適性検査型」入試と「思考力テスト」の併用を実践する学校がでてきたことだ。

☆これは「適性検査型」思考力とIB型思考力の違いを明快に認識し、受験生と保護者と共有しようという優れた科学コミュニケーションである。

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