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2015中学受験生のために【074】私立学校の不易流行のパラドクス

☆昨日、女子校アンサンブルの記事を掲載したところ、かえつ有明の石川副校長から、読みごたえあったが、行間が多すぎますよ。もう少し明快に整理した方がよいのではとメッセージをいただいた。

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☆さすがである。実は、説明を聴きながら書きなぐった文章だから、たしかに読みにくい。アンサンブル女子校でない共立女子まで登場するのだから、ますます混迷しているようにみえる。

☆そこで、共立女子をアンサンブル校に加えて、上記表のように整理をした。

☆不易流行の不易が「本質」に相当し、流行の部分が「イノベーション」。そして、本質は、≪私学の系譜≫として略奪資本主義経済で勝ち組負け組になるスキルではなく、シェア資本主義経済社会を構築できる学びを追究することを示唆する。

☆となると、イノベーションとは、その構築力のスキルということになる。

☆これらを前提に上記一覧を見ると、アンサンブル校の中では、山脇以外は、ブランド型になる。ただし、ブランド型の中でも、三輪田と跡見の本質は、シェア資本主義経済社会を目指すから、実際にはリーダー型。にもかかわらず、学校当局が、ブランド型だと誤認しているから、本来ターゲットは21世紀型市場なのに、20世紀型市場にしている。

☆このミスマッチが、高人気にならない理由の1つである。

☆東洋英和も本来はリーダー型なのだが、ポストプロテスタンティズムを回避するので、ブランド型。まだまだ20世紀型市場で生徒を獲得できるので、そのほうが効率がよいという戦略。恵泉にしても、香蘭にしても同様だろう。

☆東京女学館は、トレンド型にもなれずブランド型にもなりきれず、中途半端なところが高人気につながらない。

☆共立女子はリーダー型であるけれど、実は20世紀型市場はブランド型だと錯認。それゆえ、21世紀型市場と20世紀型市場の両方から生徒が集まる。

☆山脇は、ブランド型とPRしつつ一方でトレンド型としてもPRする戦略。21世紀型市場の中には、山脇をリーダー型と錯認してしまう消費者もいる。

☆いずれにしても、イノベーションがなければ、20世紀型市場は小さくなる一方だから、パイの取り合いは熾烈になる。

☆学校選択者は、自分は21世紀型市場に位置したいのか、20世紀型市場にギリギリまでいるのか決定しなければならないだろう。

☆2020年は確実に21世紀型市場シフトが完成しているだろうから。

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