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2015中学受験生のために【084】中学受験市場の新たな動き(2)

☆≪2015中学受験生のために【077】中学受験市場の新たな動き本格化≫で、中学受験市場は、従来型の「偏差値中学受験市場」に、「グローバル教育中学受験市場」が併存するようになり、私立中高一貫校は、その両市場に目配りするかどうか意思決定が迫られるようになっていると述べた。

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☆そこで、各学校がどのような意思決定をしているのか、その入試広報の活動、教育活動、教育活動の中でも授業の方法をみて、今後の中学受験動向を考えたいと思う。

☆まず、入試広報の活動であるが、どんなにすばらしい説明会やパンフレットを製作しても、入試問題の質こそが問題である。共立女子のように、選択肢ばかりの問題なのに、きちんと思考力がなければ解答を導けない問題、中には既存の知識に頼らずに、考える問題までデザインできるところもある。

☆麻布や開成などの学校は、入試広報活動は積極的には行っていないように見える。しかし、それは全く違う。その入試問題をみれば、生徒募集の戦略がわかる。麻布、武蔵、栄光は、まったく「偏差値中学受験市場」におもねっていない。

☆グローバルという言葉がトレンドになる前から、「グローバル教育中学受験市場」をターゲットに当てていた。未来を予想していたというのではなく、普遍主義だったということ。グローバリゼーションは光も影もあるが、普遍主義である。

☆知識基盤社会だから、知の学問的キャラが前面にでてくるのは当然かもしれない。

☆そういう意味で、開成は同じ質感を有している。ただし、「偏差値中学受験市場」をけん引するような問題も出題。ある意味東大の入試問題のコンセプトがそのまま中学入試に移植された感じである。

☆攻玉社のように、入試広報では、両受験市場に目配っているところもある。しかし、入試問題は「偏差値中学受験市場」対応型なのに、なぜ上記表では、「グローバル教育中学受験市場」の入試広報活動に○印がついているのか?それは国際学級を募集しているからである。そういう宣伝の仕方ということ。

☆しかし、「グローバル教育中学受験市場」にうったえかけるような教育活動も行っていない。もし行っていたら、それに対応する入試問題が出題されるはずであるが、そうではない。

☆入試問題は学校の顔であるとは、アドミッションポリシーが入試問題に反映しているということだから、問題が旧態依然としたままだと、教育活動も旧態依然としているのである。

☆教育活動が旧態依然としていたら、授業も当然講義型が中心となる。東京都市大は、攻玉社とかなり似ている。桐朋、聖光、浅野、本郷、世田谷学園、駒場東邦などは、攻玉社と教育活動や授業は同じ質感だが、「グローバル教育中学受験市場」は眼中にない。

☆ところがだ。開成は、グローバル教育活動をやっていながら、授業は「講義形式」である。これは、実は自問自答型講義形式だから、実際には議論型に近い。しかし、当人同士は講義型だと思っているだろう。

☆どういうことか、講義型といっても「問答法」はあるのである。ところが、普通は、これは一方通行型講義形式と効果が変わらないのである。

☆なぜかというと、問答を一方通行的に見せているだけで、知識を伝えられているのと何も変わらないのが一般的なのである。

☆一方通行的伝達とは、聴いている生徒のどれくらいの割合が頭を働かせているのか評価できない状態のことをいう。

☆問答をしている生徒は考えているかもしれないが、他の生徒は見ているだけで、考えていない可能性のほうが高い。

☆ところが、サンデル教授の講義をみていて、サンデル教授と学生の問答は、明らかに他の参加者と興味と関心が共有されているのがわかる。参加者は、自分は問答していなくても考えている。自問自答しながら聴いているのである。

☆自問自答というインディペンデントな学びの身体化がされているメンバーが参加しているのである。開成も同様である。それゆえ、ワイワイガヤガヤ議論している割には、気づきが生まれないおしゃべりに流れてしまう議論をやっているぐらいなら、開成の講義の方がはるかに効果的なのである。

☆普通は、このインディペンデントな学びがまだまだ身体化されていないからこそ、身体化するために議論を取り入れるのである。

☆海陽が開成と同じ質感なのはなぜか?生徒の成長段階から推測するに、開成のように自問自答できる段階に到っていない生徒が入学しているようにみえるのに、なぜ?

☆海陽は徹底的に開成をモデルにしている。そして全寮制というシステムが、その生徒のインディペンデントな学びの身体化をサポートしているのである。もし、この全寮制システムがなければ、こうはいかない。

☆まったく優れたシステムであるが、このシステムを自覚して構築しているとは思えない。というのもそれはハウスと呼ばれている各寮のリーダーが、同じビジョンを共有しているわけでも、システム構築をデザインしているわけでもなく、それぞれの寮長の経験に基づいた采配をしているからである。

☆教師は、学習指導要領があるから、かろうじて共通ビジョンをもって授業展開できる。開成流儀という伝統というシステムも移植できている。しかし、歴史が新しい海陽の寮制度は、伝統システムもなければましてマニュアルもない。あれば、それをとっくに開陳しているだろう。

☆だから当たり外れがある。進化途上ということで許される範囲ということだろうが。

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