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子どもの日:未来を見通して子どもの今を考える(2)

☆スーパーグローバルハイスクール(SGH)構想で、プロジェクト型学習やアクティブラーニングが急に注目され始めた。SGHでは、このタイプの新教科カリキュラムを考案し、グローバルリーダーやグローバルビジネスをけん引する人材を育成することがマストだからだ。

☆しかし依然として、そんなプログラムでは大学進学実績は出ないと信じているというか、変わりたくない教師もたくさんいる。もはや迷信であるというのにである。
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(文科省が検討している学士力)

☆まあ、それは多少言い過ぎかもしれないが、要は、大学や企業が求める能力が明らかに変わってきたということであり、実はそれだけである。プロジェクト型学習をやらなくても、「知識・理解」という思考力のグローバルスタンダードでいえば、レベル1からレベル2(レベル6まである)に過ぎない目標が求められてきたのである。

☆現在も、依然としてそのレベルの問題が入試問題で出題されているから、それ以上のことをやるのは無駄な時間であり、ピンポイントでトレーニングした方が効率的である。ただでさえ、教師は忙しいのだからという気持ちもわからないわけではない。

☆よく日本の若者は内向き志向だと言われるが、それをつくってきのは、内向き志向の教師であるし、その内向き志向の教師をつくってきたのは、今更いうまでもなく、日本文化の内向き志向性である。

☆しかし、そんな日本文化の特殊性のみを訴えていっても、国際社会が日本を受け入れてくれるはずもなく、特殊性と普遍性のバランスは考えなければなるまい。つまり、ここにグローバル教育の本位がある。

☆それゆえ、日本の大学が、内向き志向である限りは、そして企業が内向き志向である限りは、特殊性だけを唱えていればよかったのである。がしかし、企業がグローバリゼーション最前線で、いよいよそう言ってられない状況になってきた。

☆当然、大学側に求める育成能力に変化が出てきた。それが、学士力の「知識・理解」以上の「汎用的技術」「態度・志向性」「総合的学習経験と創造的思考力」である。これは、先進諸国では、21世紀型スキルと総称され、すでに小中高でカリキュラムで育成されている能力である。

☆したがって、文科省は大学だけではなく、小中高にもおろしていかねばならない。そこでモデルあるいはプロトタイプをつくり、2018年以降の改訂学習指導要領に盛り込もうというわけだ。

☆カリキュラムの変更が立ち上がれば、それに対応する入学試験の中身も変わらなくてはならない。だから2018年大学入試改革の話が大きな話題になっているのである。

☆しかしながら、大学入試が変わるだけではだめである。高校入試も、中学入試も変わらなくてはならない。

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☆それゆえ、今までCせいぜいD領域での問題しか出題されてこなかったのが、日比谷高校などを筆頭にB領域やA領域の入試問題が出題されるようになってきた。

☆また中学入試においても、グローバル教育に舵を大きく切った21会校のような学校は「思考力テスト」を一般試験に併用するようになってきた。

☆ところが、木をみて森をみない教師や学校は、いまだに、そのような試験は、偏差値が低いから苦肉の策として行うのだと揶揄している。そもそも偏差値はC領域の基準の話であり、それ以外には通用しないというのに。

☆それに、むしろ、Bをトレーニングすると、「知識・理解」は向上してしまうものなのだ。論より証拠、このような思考力ベースのグローバル教育を行っている21会校が大学進学実績も偏差値も伸ばしてきている。たとえば、聖学院やかえつ有明がそれである。

☆来春新しく開設される「三田国際学園」も、広尾を立ち上げた大橋清貫学園長が協力するから、いやいや陣頭指揮するからが正しいのだが、同じように急激に伸びるだろうと受験市場でも期待値が高い。

☆中原淳氏や溝上慎一氏の大学時代の経験・学習がこれからの企業の人材マネジメントにとって有益な情報リソースとなるという予想は、中高時代の経験・学習にも敷衍される。

☆もはや講義を聴いている経験だけの人材は、大学も企業も求めていないのである。

☆しかし、2018年までは、大きな動きとならない。それゆえ、それまでまてない開成学園では、ついにハーバード大学やエール大学に脱出する生徒の応援もするようになってしまった。

☆これは、国内難関大学で満足していた学校も、舵を切り始めるトリガーになる。2015年の中高大、それぞれの入試は、大きなうねりの兆候が随所にみられるようになるだろう。

☆中高での学びの経験、つまり授業の情報リソースを求める時代が、中学入試でもやってきたのである。

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