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私立中高の教育の質の見分け方(6)大妻中野は伸びる

☆6月4日(火)、中野サンプラザで、「杉並中野私立中学高等学校フェア」が行われたことについては、すでに述べたが、そこで大妻中野のミニ説明会(約20分)に参加した。

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☆そのとき感じたことは、教育のシステムあるいは学びのプロセスとして、Learning3Dは、まだ意識化・可視化されていないなあということだった。したがって、教育の質はまだまだであるのだが、豊かになる兆しがいくつかあった。そういう意味で伸びる学校として期待できる。

☆まず、帰国生が約130人いる。全体の10%である。これはかなり多い。もし13%を突破すれば、20%:80%理論で、かなり彼女たちの海外での学びの体験影響が大きくなるだろう。欧米出身が多く、アジアもシンガポールや上海、香港が多いだろうから、L3Dの学びの体験をしているはずである。

☆それから、アドバンストコースの存在。これは学内・保護者からもコアクラスとの公平性が問われているようだが、あることが極めて重要。八雲学園のように、底上げ、つまり全体の力をアップさせるのと同時に、チューター制や留学システム、エール大学などとの国際交流によって、才能をどこまでも伸ばしていく両方のシステムが必要。それは成長のプロセスを体現しているからなのである。

☆大妻中野にたくさん保護者が集まっていた、つまり人気があるというのは、この2点ととにかくパンフレットの生徒の表情。スマイルで満ち溢れている。真剣に授業を受けているその表情も笑みをたたえている。実際にはそうでないこともあろう。しかし、これがアドミッションポリシーなのである。

☆このフィルドワークで得た情報をもとに、次に同校のサイトの情報とのズレがあるかどうか分析してみた。同校サイトには、「学校経営計画」と「学校自己評価」が公開されている。

☆これだけでも、開放系であることがわかる。そして、これを見て、やはり学びのプロセスについては言及されていないことがわかった。説明会で直感したことはどうやらほぼ確からしい。

☆もちろん、学びのPDCAを身につけさせるというプランはある。しかし、どのように身につけさせるのかについてのプログラム計画は載っていなかった。また、Pはどのように立て、Dはどのようにプログラムされているのか、Cはどのように評価するのか、Aはリフレクションのプロセスはいかなるものかについては言及されていない。

☆何をそんな細かいことをと言われるかもしれない。しかし、例のスーパーグローバルハイスクール(SGH)は、そこまで要求されるし、IBスクールも同様であり、教育の質のクライテリアとしては世界標準の話である。

☆ともあれ、同校サイトには、膨大な、スコア評価も、保護者のアンケート調査の結果も載っている。しかし、その分析はされていない。それを活用してどうしていくのかがプランされていない。

☆たとえば、保護者が自由記述で述べているもののうち各カテゴリーで目立つものをいくつか任意に紹介してみる。

①進学指導体制の強化をお願いしたい。
②進路の具体的な例や政治のはなしなどをし、日常的に生きていくことについて考えさせて欲しい。
③学習について、もっと細かい指導をしてほしい。
④先生の生徒への乱暴な言葉遣いや態度、生徒の目のある場所でのマナーを直してほしい。
⑤英語科の強化をのぞむ。生徒が楽しく、受けたくなる授業にしてほしい。
⑥アドバンストクラスとコアクラスでどちらも公平に熱心な指導を望む。
⑦優秀な生徒の学力を伸ばすのも大切だが、全体の学力の底上げを望む。

☆①②は、進学指導のプログラムが明らかでないことを言っているわけだ。

☆③④⑤は、対話型やPBL(プロジェクト型学習つまりL3D)なら当然織り込まれているヴィゴツキーの「発達の最近接領域」のシステムが埋め込まれていないことを示唆している。

☆⑥⑦も実は発達の最近接領域が埋め込まれていれば解決することである。

☆これらはしかし、マテリアルはあるのだから、あとはこのようなプランと評価によって、改善して、その潜在的な教育プロセス力を創り出すことは大いに可能だということを意味しているのである。

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