私立中高の教育の質の見分け方(8)土浦日本大学中等教育学校のグローバル教育
☆鈴木裕之氏(海外帰国生教育研究家)によると、
土浦日本大学中等教育学校(中等)のオープンスクール(6月29日開催)は、220名を越える来場者で大賑わいであった。この数年、校長の中川先生が取り組んできた未来授業や、帰国生や海外進学などグローバル教育に力を入れてきた先進性がいよいよ中学受験マーケットに大きなインパクトを持って迎えられ始めた。(21会サイト:土浦日本大学中等教育学校 未来授業の共振(1)から)
☆同サイトの記事の通り、土浦日本大学中等教育学校のグローバル教育は破格である。世界のトップ校やインターナショナルスクールは、ハイレベルな教育を行っているが、ユーモアやエスプリなど非常に大切にしている。
☆秩序や閉塞状況、固定観念が支配すると、クリエイティビティはなくなる。日本の旧制高校では、そこはバンカラという話になっていたが、青春の一コマで終わる代物であった。
☆しかし、世界のエリートは、むしろ社会に出てからも固定観念や慣習をゆさぶるユーモアをますます発揮する。どういうことかというと、それを養うドラマエデュケーションやクリエイティブプレゼンテーションという高パフォーマンスを学ぶチャンスがあるということなのである。
☆つまり、バンカラ的表現は所詮私的な活動であり、趣味なのであるが、ドラマやプレゼンは公共的なパフォーマンスである。
☆だから、授業という公共的な場において、一人沈んでいたり、非協力的だと、サポートやコラボレーションの働きかけが直ちに立ちあがる。授業に協力的であるかどうかについては、教師が生徒を評価する項目でもある。
☆アクティブで、インタラクティブで、クリエイティブな雰囲気が授業に満ちているのは、たんじゅんに楽しいほうがよいということではない。プライベートな空間から公共的な空間にシフトするときの準備段階。だからアイスブレイクとかブレストとかいうプログラムには定番の始まりがあるわけだ。
☆その意味で、土浦日本大学中等教育学校の授業は本格的なグローバル教育と言わねばならない。
アクティブ
☆だから、今回のオープンスクールも楽しいプログラムばかりだったのだが、それは、好奇心、開放的な精神の学びの空間に没入してもらうための土浦日本大学中等教育学校のグローバル教育のスキルの1つだったのである。
☆ということは、オープンスクールは同校の入り口であり、ある意味氷山の一角である。なるほどそう考えると、リサーチ教育やイギリス研修など、何をやっているかはわかるが、どのように学びのプロセスが進んでいるのかはわからない。
☆これについては、同校のサイトや実際に説明会に足を運んで、説明を聞いたり、動画を見たりしながら擬似体験する以外にないが、そもそも、学びのプロセスを体験したりその真相/深層を丁寧に説明してくれるところはあるのだろうか。
☆一般には、入学試験や入試要項の話と卒業時の大学進学実績の説明しかなく、何を教育しているかは説明はするが、何をどのようなプロセスで学んでいるかまではなかなか説明しない。
☆なぜ説明しないのか?知識偏重型の授業しかしていないから、知識のデータベースを与えて、覚えるのは生徒という暗記システムしかないからなのである。学びのプロセスだとかそもそも仕掛けを作っていないのである。
☆2020年以降は、大学も企業も採用の時に、中高、大学でどのような質の高い学びの体験をしてきたかを問うようになると言われている。世界のトップクラスにとって、それは当たり前の話である。
☆文科省もこのギャップを今更ながら気づいて、2018年には本格実施するであろう新学習指導要領はグローバル教育をベースにするようだ。だがしかし、今まで文科省の教育改革は成功してきたためしがない。
☆学校選択は、自分の目と鼻と頭で判断する時代がやってきたのである。
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