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私立中高の教育の質の見分け方(2) 麻布

☆麻布の教育の質は、見えやすい。学校説明会に行っても感じるだけではなく、知ることもできるし、麻布の学びのバックヤード文化である暗黙知もきっちりプレゼンされるからである。

Azabu
Youtube:麻布中学校入学式校長式辞(2014年4月8日)

☆しかも、入試問題をみると、やはり第3の次元が明快に表現されている。「図Learning 3D(L3D)」の全貌がわかる表現力はさすがである。

L3d

☆ここでは、麻布のサイト「屋上の日 セレモニーイベント」を例にとって考えてみたい。ページをご覧いただければすぐにわかるように、アックティブでインタラクティブでクリエイティブである。

☆L3Dの第1の次元は、写真を見れば即理解できるのである。このページのリード文にはこうある。

①過去、近隣への迷惑や使い方の問題から、麻布の校舎の屋上が閉鎖されたという歴史がありました。②そののち、生徒の自治の力で再開放に至りました。③そのことを忘れないように、毎年5月20日を「屋上の日」と呼び、二度とモラルのない屋上の使い方をしないことを誓うと同時に自治の大切さを考える日にしています。④ 今年も、屋上でのイベントが予算委員会を中心に行われました。(分の番号は筆者)

☆文①から、近隣の迷惑の実態を把握するリサーチが行われたことがわかる。だから閉鎖という事態になったはずである。

☆文②には「生徒の自治」によるとあるから、ディスカッションが行われたことが了解できる。

☆文③・④は、同ページの写真にあるようにドラマというアクションを記念日のシンボルとしてパフォーマンスすることを決め、まさに「プロジェクト」として動いていることが了解できる。

☆シンプルな同ページで、L3Dの第1・2の次元が明快に了解できる。

☆しかし、第3の次元は、補足が必要になる。学校説明会や文化祭、体育祭、そして入試問題のいずれかをリサーチすれば、あるいは、同校サイトの「新体育館建設工事始まる」のページは、まさに第3の次元を形にされている。建築のプロセスはバックヤードであり、その部分をサイトで表現していく学校はほとんどない。建築は時代や文化、思想、芸術の感性の物質化である。その点に関して高い見識を持っている教師がいることを示唆しているという点で、かなり重要なページである。

☆また、Youtubeで公開されている今春の入学式における平校長の式辞からも了解できる。今春入学する生徒が、21世紀になるや誕生した生徒である歴史的意義を確認し、その21世紀をナイチンゲールの歴史的意義に重ねる。

☆20世紀型とか21世紀型とは、単純に時間順序の話ではない。20世紀近代においても、ナイチンゲールのようにまだまだ少数であったが、近代の矛盾を超える人材、つまり国境、宗教、民族などを越境するコト、医療などにおける本質的な眼差しをアクションとして他者と共有するコトを可能にする人材がいた。

☆21世紀は、20世紀においては少数であったナイチンゲールのような人材が、広く市民として活躍できる時代である。ナイチンゲールの精神は創設者江原素六とシンクロしている。

☆麻布の教育の質の奥行き、つまりL3Dの第3の次元を明快に表現している式辞である。

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