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麻布の知 開成とは真逆

☆野田武志さん(世界連邦運動協会  WFM Japan 事務局補佐、NPO法人 世界連邦21世紀フォーラム 事務局、SUN's Act オーガナイザー)のfacebookで、原田博氏のことを知った。そこにはこう書いてあった。

先日、久しぶりに原島 博先生(東京大学名誉教授)の勉強会に参加させていただき、人類が直面している根本的課題について深く考えさせられることになりました。

現代のOSともいえる自由経済主義の下では、生産と消費は分業化され、人々は企業に与えられたものを消費して生きている存在「消費者」の側面が強く、それはエサを与えられて生きる「家畜」のような存在になったといえるのではないでしょうか。人類学上ではこれを「人工家畜化」と呼ぶそうです。人は自らが作った人工空間で完全管理されて生きている…まさに皮肉ですね…

☆おもしろいと思い、サーチしてみたらすぐに、原島博氏のホームページが見つかり、「自己家畜化」をテーマにしたエッセイがでてきた。そこにはこう書いてある。

人類は、自分自身を完全管理されている家畜としてしまった。自分が家畜になっていることを、人はみなどこまで自覚しているのだろうか。飼いならされた現代人は、もしかしたら身体だけでなく、心まで家畜になってしまったのかもしれない。それはそれで快適なことではあるけれども・・・。。

☆いや全くだ。この知性に比べると、開成などは、この自己家畜化を仕掛ける側で、知のコモディティ化をコントロールする20世紀型教育の極限に到達しているとさえ思った。そして、そう思うや、原島氏は麻布出身かもと思い、ぐぐったら、果たしてそうであった。

☆開成の知のコモディティ化を操作する教育とは真逆、つまりコモディティ化という物神化を解体し、人間存在の根源に迫るのが麻布の知だと改めて感動した。

☆麻布出身者がすべてそうだとは言えないが、出会った麻布出身者は、多く物象化や物神化一元管理というものを批判し解体する言説・アクションが得意。

☆川本三郎氏、宮台真司氏、なだいなだ氏、濱野智史氏など原島氏と共通するパースペクティブを有していると感じる。

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☆とりわけ前校長の氷上先生はそうだ。先生には江原素六に連なる≪私学の系譜≫の着想を頂き思い出深いが、東洋経済オンラインでこんなことを述べている。

社会に出ると麻布時代とは真逆のエネルギーが働くといことです。麻布時代は何か1つのことをやろうとすれば、仲間の生徒も協力的だった。教員もよほどのことがない限り止めません。生徒の独自性が尊重されていたわけです。

ですが、社会に出たらそうはいかない。その前段階の就活から「ある一定の型にはめよう」という流れになるわけです。社会に出ればその力はもっと強まる。エスタブリッシュメント(権威)や階級が大きな価値観になっていたり、社会人として、歯車になることや、画一的であることが要求されます。これは麻布時代には全くなかった話です。ここでかなり苦労する。

もしかしたら、時には孤立するかもしれないし、出世できないかもしれない。でもそれでいいんです。常に「何か違うぞ」と疑問を感じてその価値観をブレークスルーできるような大人になってほしいと思っていますから。そういう独創的な人材にこそ、停滞する状況を打破する可能性があると思っています。

☆もちろん、この孤立にがまんできずに、世渡りよろしく生きる方もいるかもしれないが、基本的には「批判的視点」「ブレークスルー」のキーワードを有している。

☆それゆえ、この激動の時代にあっては、まさに必要とされる人材が輩出される場ともいえるのではないか。原島氏は、ゲーム業界について、あるインタビューの中でこう回答している

僕自身は、「ITはバーチャルからリアルへ」という言い方をしています。もともとITには、バーチャル、つまりサイバースペースの中の仮想世界に入り込んでしまうというイメージがありました。それが今では、むしろITのキーワードはモバイルであったりユビキタスであったりします。これらは、バーチャルではなくリアルワールドのキーワードなのです。モバイルとは人間は身体を持っている、足を持って動き回るということを前提とした概念です。動き回る人間をいかに情報化するかがモバイルで、一方でユビキタスは人間が動き回るということを大前提として、その環境をあまねく情報化することです。リアルワールドにおける人間の情報化と環境の情報化、それがいまのITの方向です。

・・・・・・ゲームの歴史、情報技術の歴史も学んで、自らを相対的に位置づけられる目を養って欲しいと思います。我々は歴史の中に存在しており、その背後に何があったのか、そういう視点で物事を見ることが大切です。いわば時代を見る目です。

情報技術の歴史を辿ると主役はどんどん変わっています。日本はIBMを追いかけすぎてアメリカに敗れました。IBMは大型コンピュータで世界を制覇しましたが、PCの時代になってMS-DOSを開発したマイクロソフトが勝者になりました。そしていまはGoogleです。Googleは何を狙っているか。それはコンテンツです。Googleは、情報の検索しかり、マップしかり、ストリートビューしかり、あらゆるものをコンテンツ化しようとしています。さらに、いまそれも変わろうとしています。ネットでは情報だけでなく、人間そのものが重要なコンテンツになってきました。ブログしかり、SNSしかり。そのような時代には、一体誰が主役になるのか。この講演を聴いている君にもその可能性があるということをメッセージとして伝えたいと考えています。

☆2009年に掲載されたものだが、21世紀型教育のビジョンのさらに先をいっている。麻布の知に学びつつ21世紀型教育が独自かつ協創パースペクティブを広げることは、世界に必要とされる人材を育成することだろう。

☆ミニ開成化路線をとっている学校も多いが、さてどちらを選ぶべきか?もちろん選択は私事の自己決定である。

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