代々木ゼミナールの校舎大幅閉鎖&全国模試廃止の意味
☆代々木ゼミナールが全国の校舎を大幅に閉鎖、2015年度から、全国模擬試験の廃止の話題は、受験業界のみならず経済界でワイガヤ。
☆経営陣に話を聞くまでもなく、グローバル教育の波に本格的に乗るよという話だろうと思う。
☆グローバル教育は、少なくとも、次の5つの柱を満たす。
1)ICTによる属地属人空間からの解放
2)大講義形式からチーム化、ペア化、個人化の学び形式へ
3)進路先受験指導から人材教育へ
4)海外大学との連携
5)1人ひとりにあったエリート教育
☆2015年以降日本語IBの導入、2019年以降、大学入試改革がマインドセットされている。それに思い切って乗ろうとしているということだろう。
☆東進ハイスクールが、ある程度先んじているから、それを超える動きをしようということだろう。
☆3大予備校の一角が崩れたという報道もあるが、3大予備校の時代から、リアル・サイバー予備校の時代にシフトということの方が正しいだろう。
☆もっとも、市場がこのようなグローバル教育の理解をまだ十分にしていないから、代々木ゼミナールの経営陣の想定外のことが起こり、結構受難の道を歩むことになるかもしれないし、一気呵成に巻き返すかもしれない。それは市場というのは、複雑系なのだ。
☆ともあれ、そうならないためには、新しい世界標準のテストシステムとサイバーカウンセリングシステムの水面下の準備進行が必要。そしてリアルな空間は、海外の大学の寮や施設を活用して学ぶマインドフル・ジャーニーの準備ができていること。
☆また少子化対策として、海外の留学生と日本の大学をつなぐグローバル人材リンクシステムも必要。
☆こうなれば、私立学校は、代々木ゼミナールと連携することになるだろう。かくして、校舎単位ではなく、学校単位で会員を囲い込むことになる。
☆がしかし、もしかしたら代ゼミは、タブーの領域を開いてしまうのかもしれない。代ゼミのリアル・サイバー空間を活用すれば、学校にいかなくてもよくなる。というのはまず、通信制高校がそれをやるだろう。すると、これに関連してホームスクール制度が立ちあがる。法改正の問題だが、経営に苦戦している地域の塾が、そのハブになれば、一挙にホームスクールアソシエイトができる。カリフォルニア州のモデルがすでにある。
☆日本再興を本気で考えるのなら、すべての生徒に全球/全人エリート教育を配信したほうが得策である。
☆それに、日本語IB、大学入試改革というのは、評価システムが変わるから、従来の模擬試験システムの在庫処理は、負債になる。駿台や河合が、そこを考えていないとしたら(まず考えているだろうが)、東進と代ゼミにしてやられる。
☆大学入試改革に良い顔して、実は今までのシステムを使い続けたいと思っていたベネッセも、今回の問題で、システムを一掃したほうが起死回生になるわけだ。
☆一気に改革路線に動くやもしれない。怪物故徳間康快氏に、「おい若造、これからは宇宙だよ。日能研(昔勤務していた)も宇宙に教室つくってディレクTVで配信しなさい。動いてくれないか」と声をかけられたのは1997年。どうやら本当になるということか。そのときは早すぎ、できたのがNTS教育研究所だった・・・。今はそちらも消滅したけれど。
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