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中学受験2015 何が起きているのか!? (7)麻布と聖学院 ①

☆今やIBシステムの第一人者海城の教頭中田先生が、認知能力の基準をブルーム型のタキソノミーで議論することの重要性を、以下の2冊の情報誌で明快に述べている。

Taxinomy

☆以前から中田先生とタキソノミーに関する考え方をシェアしていたので、光栄にも先生は私の図を引用してくださった。

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☆ブルーム「型」となっているのは、ブルームの考え方は1950年代のものであるから、それ以降弟子たちや関係者がアレンジして、様々なバージョンがある。私たちも大枠は変えていないが、各段階の認知能力は、実情に合わせてアレンジしている。

☆しかし、今回は上記図の右側の詳細部分ではなく、大枠部分について言及しよう。20世紀型教育と21世紀型教育の大きな違いがどの段階まで深く学ぶかが、決定的に違うからである。

☆20世紀型か21世紀型か、あるいはドメスティックかグローバルかの違いは、実はどの段階まで学ぶのかというのが本当の違いである。

☆20世紀型教育では、「知識→理解」までがほとんど、「知識→理解→応用→分析」まで総合学習の導入によってなんとかしようとしたが、公立学校はそこを見誤り、「脱ゆとり路線」に走った。

☆しかし、その文科省が、来年から本格的に改訂作業にはいる学習指導要領では、「知識→理解→応用→分析→総合→評価(自己決定)」まで深めようとしている。

☆それがSGHや日本語IBの話に象徴されている。

☆ところが、SGHでは、CEFR基準でB2まででよいとしている。また道徳の教科化の提案レポートでも、道徳の発達段階を「慣習段階」でよいとし、「脱慣習段階」にはジャンプしない。

☆つまり、文科省は、本来、認知能力と言語能力と道徳感情は有機的に結びついて発達するのに、その整合性がとれていない。

☆それはなぜかというと、この3つを担当する部署や担当者が違うからである。こんなところに縦割り官僚機構のトラップがあったとは、いまさら驚きはしないが、大学入試改革「達成度テスト」も行われるだろうが、骨抜きになる可能性がある。

☆私立学校は、だから文科省の動きはチェックはしながらも、そこに照準を合わせるわけではない。あくまで未来からの留学生である目の前の生徒が人間存在として全人的に成長する教育を目指す。

☆だから、人間存在として認知能力、言語能力、道徳感情の有機的つながりとハイエンドな発達を久しく目指している。

☆ところが、そのシステムが非常に見えにくい。だから、そのシステムのプロセスの表現がないまま、結果だけみて、世間に評価されてきた。そして、その評価する世間は、ほとんど公立学校の教育基準でみるから、私立学校も同様だとみなされてきた。

☆しかし、ここにきて、麻布は「教養総合」という講座で、聖学院は「思考力セミナー」で、「知識→理解→応用→分析→総合→評価(自己決定)」のプロセスを可視化した学びのプロトタイプをつくりあげた。

☆見事なまでに、「リサーチ体験→タキソノミー的システム思考→ディスカッション→プレゼンテーション」が目の前で明らかになっている。

☆未来からの留学生にとって、中学受験の偏差値は最終的には関係がない。

☆高偏差値の麻布の受験生も、そこまではまだ届いていない聖学院の受験生も、6年間でこの学びのプロセスを体験したら、ハイエンドな次元で、出会うことは間違いない。

☆つまり、偏差値はこのように使えばよいのである。未来はハイエンドな次元で切磋琢磨できる環境を無理なく選択するために活用する。

☆学校選択の重要性は、偏差値で選ぶのではなく、同じ偏差値でもどちらが将来ハイエンドな次元で活躍できるのかという目的。この目的を果たすために偏差値は活用すればよいのである。

☆今偏差値50で麻布にはいるのはやはり相当無理がかかる。もちろん可能性はある。しかし、聖学院は、油断しなければなんとかなる。

☆では、偏差値50なら、たとえば、足立学園や安田学園はどうなのか。さて、どこが、20世紀型で21世紀型だろうかと考えればよいのではないか。

☆昨日27日(土)、縁あって麻布の教養総合のディスカッション授業のゲスト講師として招かれた。実は聖学院でも以前、ディスカッション授業のゲストとして招かれた体験がある。

☆問いの立て方、ヒントの出し方に違いはあったが、どちらも、生徒はトータルな人間存在として、「知識→理解→応用→分析→総合→評価(自己決定)」という知の洞窟を嬉々として探検していった。

明日の21世紀型教育を知るセミナーで、その両校の知の洞窟探検をたどってみようと思う。未来からの留学生には、無限の可能性がある。江原素六先生は、それを「青年即未来」と表現した。そして谷川俊太郎は次のような詩を描いた。

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(「21世紀を拓く最先端学習プログラム」 本間勇人編著2000年から)

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