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【2015中学受験動向 04】男子の併願戦略

☆今年の男子注目校の筆頭は聖学院である。昨年からメディアで取り上げられる率は急上昇したが、今年はさらに高くなっている。先日もサンデー毎日のエキスパートが勧める中高一貫校の3つの項目、すべてに名前が挙げられていた

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(首都圏模試9月統一模試の志望校度数分布の前年対比。聖学院は複数回の試験日を設定しているので、総数でグラフは作成)

☆聖学院は、言うまでもなく21世紀型教育推進校で、IB型(国際バカロレアレベルの)思考力を育成する学校で有名。英語のレベルもCEFR基準でC1英語を実践している。

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☆したがって、大学合格実績も伸びている。教育の質も良い。そして、いやそれゆえ大学合格実績もよいという学校の様子が受験生にかなりシェアされている。

☆したがって、偏差値競争主義の受験生は志望しない。あくまでグローバルな視野のIB型思考力を身につけ、世界(世界観や社会制度)を自分たちでつくり、man for othersの人類普遍の原理を実現すべく世界に羽ばたく人材が育成される。

☆上記グラフは、そのような偏差値競争主義ではなく、生きる価値重視主義の生徒が増えているということを示している。

☆これは男子御三家の中でも麻布、武蔵は本来そうだ。開成も学校自体はそうだが、大量に進学する生徒の価値観は偏差値競争主義が圧倒的。

☆模擬試験では、首都圏模試、公開模試、四谷の模試の受験生の数は13000人前後、SAPIXが5000人ぐらいだろう。

☆要するに5000人は明快に偏差値競争主義である。他は、偏差値競争主義と生きる価値重視主義の両方だが、その割合がどのくらいかはわからない。

☆それが明らかになるのは、来春の各学校の応募者数の動向によるが、男子校で聖学院、麻布あるいは武蔵のような学校は少ないから、そのような学校がどうなるか見守っていればよいわけである。

☆麻布は5000人の中から受けにくるから、生きる価値重視主義はそれと応戦せざるを得ず、偏差値競争主義の側面も身につけなければならない。ジレンマやパラドキシカルな思考力が育つのは、もしかしたら生きる価値重視主義の生徒ががんばっているからかもしれない。

☆聖学院の志望者で偏差値60以上が増えているが、賢いけれど偏差値競争重視の世界は、ドメスティックにすぎず、将来のグローバルな激しい弱者必滅の闇と闘うには、語るべき広く深い洞察力を一刻も早く身につけなければならない。そういう見識をもった受験生(すでに小6でも持っているものだ)は、さっさと聖学院の本来の姿であるSEIGを見抜き読み解き志望するのである。

☆それはともかく、かくして男子の併願戦略はシンプルである。偏差値を優勝劣敗の数値目標として物神化し、偏差値競争主義という価値観で併願校を組み立てるか、偏差値を生きる価値重視主義の意識で統計的データとして活用して併願校を組み立てるかどちらかである。

☆ただし、生きる価値重視主義の受験生が、たとえば麻布を受験しなければならないときは、偏差値競争主義者と一戦交えなければならない。

☆どういう男子校が、生きる価値重視主義、つまり21世紀型教育推進あるいは志向している学校なのか。思いつくまま列挙すると、

麻布●
開成●●
筑駒●●
本郷●
桐光●
聖光●●
桐朋●

聖学院
慶応普通部
成城
早稲田高等学院
海城
栄光
芝浦工大

☆そして、●印が1つ付いている学校は、生きる価値重視重視主義者が偏差値競争主義者と一戦交えなければならない学校である。●●印のように2つ付いているところは、学校の先生方自身が、偏差値競争主義者の生徒や保護者と一戦交えなければならない学校である。

☆先生方が勝利しているかどうかは、わからない。顧客中心主義の時代、苦戦しているというのが現状かもしれない。ただし、海城はすでにクリアしている。

☆そこにいくと、●印のついていない21世紀型教育推進あるいは志向している学校は、中学受験からグローバルな世界へ道が開かれているといえよう。

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