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第62回全国私学教育研究集会東京大会 新時代を画す(1)

☆2014年10月16日・17日の両日、グランドプリンスホテル新高輪国際館パミールで、第62回全国私学教育研究集会東京大会が開催。全国から私学人がおよそ1000名集結して「21世紀の教育を考える~グローバル教育を目指して~」をテーマに研修会が行われている。

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☆初日の開会式には、舛添要一東京都知事、文科省からは山中伸一事務次官がかけつけて祝辞を述べるほど、大規模で全国私学が想いを共有する大研修会である。

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☆開会宣言は、運営総括委員長の清水哲雄先生が、静かな情熱をもって語った。いよいよ本格的にはじまった21世紀社会の激動激流に対応する人材を育成する教育は何か?現状の教育制度や教育政策に翻弄されることなく、私学それぞれの建学の精神という多様でありながら1つである本質によって未来を見通して、私学一丸となって、守るべきものは守り、変えるべきところは変えていこうと意志の力をシェアした。

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☆開会式に引き続いて、全体会が行われ、まず日本私立中学高等学校連合会会長吉田晋先生(富士見丘学園理事長校長)、一般財団法人日本私学教育研究所所長中川武夫先生から、「教育政策と私学情勢について」最新の情報と私学が直面している課題の全貌を提示された。

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☆八雲学園や工学院などは、教員が全員が参加し、外部環境の最新の情報を獲得し、それを学校でどう生かしていくか議論していくという。生徒は、自分たちのみならず、自分たちのために、先生が学んでいる姿をみて、この学校で学ぶ意義に気づき、学ぶ意欲を立ち上らせることだろう。

☆さて、吉田先生は、70ページほどもある資料に基づいて、公立学校の教育制度の法的根拠なき生徒募集や教育システムが自治体の教育政策として広がっている現状を分析。

☆教育制度と教育政策の乖離は、条文に書いていないものは何をやってもよいという法実証主義的な法的解釈によって行われている。

☆ところが、人類普遍の原理=自然法に基づいている戦後憲法の精神を公理として解釈すれば、条文に書いていなくてもコモンセンスとして、教育制度と政策の乖離は起こらない。

☆このような事態は、戦後民主主義の政治経済の秩序を混乱させ、目先の利益優先に教育システムをつくりかえていく日本の国全体の問題に広がるだろうと。

☆また、そもそも憲法や教育基本法、学校教育法に基づけば、高校無償化が行われる政策が、高校の義務教育化が進行した現状によって、法の拡大解釈によって行われているとするならば、拡大解釈どころか条文の文言通りの解釈によって、中学の無償化がないのは、むしろ矛盾であると。

☆さらに、大学入試改革における高大接続問題も、比較的教育制度と教育政策の一貫性がやっとみえてきたものの、ともすれば政財官学の利益が優先するという歪みが生じる。そこを強力にチェックして、私学のシンクタンクとして国や自治体に影響を与えてくということである。

☆特に、小中一貫教育の制度化問題は、本来過疎化対策だったはずのものが、都市において進学校のシステムとしてすり替えられていき、教育制度がなし崩しにされていることを指摘。

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☆吉田先生の教育制度と教育政策の構造論滴問題の分析を受けて、中川先生は、その構造を変えていくことも重要だが、日々動いているこの構造の中で、解題を解決する方法を創意工夫して実行していくことも重要であるとし、政財官学と私学の関係の中で、どのように影響を与えられるのか、その可能性の構造分析を全私学人とシェアした。

☆今回の東京大会が行われているとき同じくして、安倍政権は、10月18日の日本経済再生本部会合において、「国家戦略特区」における規制緩和の一つに、公立学校運営の民間委託を認める「公設民営学校の設置」を検討することを正式に決定したが、第一次安倍政権のときのように国家戦略特区に盛り込もうという話。

☆これについても、吉田先生は、国内のインターナショナルスクールを外国人だけではなく、日本人にも開放するのは問題ないが、一条校としての公立学校として民間と連携して行うというのは、すでに第一次安倍政権が特区で行った株式立学校がうまくいかなかったからといって、法制度上無理がある。

☆株式立学校がうまくいかなかったのは、特区だからといって一条校の法の枠の中で行った。そのためあらゆる一条校の支援の法制度を受けられなかった。

☆今度は、そこもはずしてしまえというのは、確かに特区は無法地帯であるというのと何ら変わらず、民主主義的手続きや法を無視した政策を国が行うのは、実に危険である。

☆日本にはロビー活動が成熟していないが、健全な教育ロビー活動が私学全体の意志と動きによって行われる意義は21世紀の教育をかんがえるとき実に大きいと感じた。





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