三田国際インパクト(1)本物の高校入試
☆時雨降る中、行列ができる高校入試説明会となったのである。しかし、この受験生がたくさん集まったというインパクトは現象や一時のムーブメントではない。
☆中学入試の説明会の時と同じように、初めて三田国際に訪れたという受験生(上記写真)が、この時期にあまりに多かった。高校入試は、中学受験とは違い、公立の中学校が、受験生の進路を決定する大きな力となっている。
☆中学入試は、受験生本人と保護者の意思決定にすべて任せられる。高校入試は、97%の生徒が進学するがゆえに、受験生本人や保護者の意思決定だけでは、行き場がなくなるケースも生まれるので、中学校側の成績順による配分の正義が発動される。
☆しかし、その配分の正義は、受験生本人の意思決定とは常に葛藤が起こる。それゆえ、高校受験生は、常にその配分の正義と自分の意志とのかい離に打ちひしがれ自信を失い自己否定感がうっ積する。
☆成績が良い生徒も、いつ下剋上が起こるかわからないため、自信に満ちているというよりも、警戒心と用心深さと猜疑心や懐疑心に苛まれている狡猾なもう一人の自分に苦しめられる。その自覚がなく万能感を抱く場合もあるが、このような優秀生が優勝劣敗に執着する官僚的発想を生み出す温床ともなっていると言われている。
☆中学受験は、その点、行き場がないということはない。なんといっても首都圏の中学受験市場に限れば、卒業する全国の小学校6年生のうち、その市場に参加しているのは3%に過ぎない。中学受験市場で、自分の意志を貫き通したとしても、行き場がないということはないから、パーソナルな挫折感はあるものの、社会構造的に自己否定感を押し付けられることはない。
☆この決定的な違いが、中学受験市場と高校受験市場にはあるのだ。だから、「三田国際ショック」の情報は、中学受験市場という合理的な経済ルールに則した市場では、すぐに情報が浸透する。
☆しかし、学校という配分の正義というパワーが作動するとき、情報の非対称性があるために、「三田国際ショック」の情報が行き届くのは、来春結果がでてからとなるのが一般的だ。
☆それなのに、これだけ受験生が集まった。公立の中学校の進路相談のメニューにまだ載っていないのに、集まったのである。
☆このインパクトは、ただごとではない。現象としてのインパクトは、むしろ来年以降で、今目の前に起こっている衝撃は、受験生の魂と三田国際のソール(Soul)が響きあって巻き起こっている本物のインパクトではあるまいか。
☆心に染み入る時雨の音と同期して、そんなことを感じた。
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