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2015年中学入試話題校【43】東京女子学園 本格的アクティブラーニング(3)

☆東京女子学園のアクティブラーニングは、多様なテーマを扱いシェアする点において、視野の「広さ」を形成している。しかし、圧巻なのは、思考の「深さ」である。

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(プレゼンの様子は自然。対話を交えながら、聞き手を世界に導いていく)

☆たとえば、参勤交代を調べたチームは、教科書では、どちらかというと政治的・軍事的目的の説明が中心だが、東京女子学園の中2生は、五街道の参勤交代や海の参勤交代など、移動のインフラを掘り下げにいくにつれ、全国の大名に蓄積されている富を、移動しながら宿場町などにお金を分配していくということに気づいた。

☆しかも、現代の通貨に換算して、参勤交代の費用が、何億円にもなることを考えると、日本国内の経済活性化に役立ったかもしれないという仮説を立てた。

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☆ところが一方で、年中行事や庶民の日常生活、吉原の実態をリサーチしたチームは、本当に庶民の生活は、貧しさそのもので、富みの分配がうまくいっていないことにも気づいた。

☆それはなぜか?参勤交代の宿場町でのキャンセルのときのトラブルに注目した。つまり、現代社会のように契約社会ではないから、市場経済がまだまだ成立していなかったからだと。

☆だから、江戸の情報をリサーチしたチームは、書物という重要かつ高価な情報資源を、庶民はもてなかった。しかし、それが、庶民にも知をシェアする貸本屋という仕組みを形成するきっかけにもなったのだと。

☆聞いている方は、ワクワクしてきた。中2の段階で、江戸の政治経済や庶民の生活という現象を通して、明治維新以降の日本の近代国家を驀進させてる要因が、「移動」の整備と「知」のシェアにあったという本質に気づく一歩手前まで到達していたのだから。

☆今はやっているシェアハウスは、江戸時代の長屋と同じシステムではないか。現代若者の貧困と江戸の庶民の貧困の比較の扉まで迫ったプレゼンもあった。

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☆プレゼン終了後、担当の社会科の先生と4人の生徒にインタビューしたが、実に明快に考えをしめしてくれた。

☆生徒の皆さんは、書物からインターネットへと情報の形が歴史的に変化していることを改めて眺めることができたとか、お祭りは現代にも引き継がれているということに気づいたとか語ってくれた。そして、結局変わらない本質と変わるべきものは変わるということに気づくことが大切ですよねと、驚愕の説明があった。

☆それから、勉強というより、チームで紆余曲折ありながらも、力を合わせることができたのは何より達成感を感じましたというコミュニケーションの心根につて触れたとき、先生方も教師冥利につきますという笑顔になった。

☆黒川先生、福島先生によると、実は中2は調べることから気づきが生まれることと、チーム学習によって「協調」することの大切さを実感してもらいたかったのだということだ。そして、中3の「模擬裁判」のプロジェクトでは、具体的な法制度、正義判断、クリティカルシンキングなど中2のときよりさらに高度な思考のレベルの体験をしてもらいたいのだという。

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☆東京女子学園のアクティブラーニングは、本質が現象する、現象は現象するだけだという校長實吉先生のうシンプルな哲学が、教師に生徒に継承される場でもあったのである。

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