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2015首都圏中学入試【39】 思考力テスト グローバルシチズンの動きが入試に躍り出た!

☆昨年末から大学入試改革一体型のグローバル学習指導要領改訂作業が本格稼働し始めたが、その前哨戦というかモデルケース作りがSGHの教育開発である。しかし、このような日本独自のものを開発するだけでは足りないので、日本語IBなども同時に進んでいる。

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☆これらは、言うまでもなく、日本国家文科省による上からの教育改革の動きであるが、それだけではなく、グローバリゼーション時代の当然の動きとして、グローバルシチズンの連携による外からの教育改革の動きもある。

☆この外からのフラットな動きは、公立学校はなかなか難しい。私立学校がまずはけん引するしかないわけであるが、それはまだまだ表にはでていない。文化学園杉並の試みとか、武蔵大の試みが顕在化しているのみである。

☆ところが、今年の中学入試の倍率を見ていると応募項目に、「思考力」というのが目立つようになってきた。2科目入試、4科目入試は従来通りであるが、帰国生入試、特待入試、適性検査型入試などが次々と開発され、正月には英語入試が注目を浴びた。その陰にひっそりとではあるが、2015年「思考力」テストなる項目も目立ち始めた。

☆先述したように、グローバルシチズンによる外からのフラットな連携による教育改革の動きがまだ見えないので、「思考力」テストは適性検査型入試とどこが違うかわからないとまだ思われている。

☆これがわからないのは、思考力には段階があり。今までの日本の教育の思考力の段階は3レベルぐらいで、4~6レベルは無視されてきたという情報が公開されていなかったから、いかしかたがない。

☆しかし、グローバル教育、IB型教育、21世紀型教育が2010年ごろから注目されはじめ、今まさに文科省も注目するようになると、そこに光があたってしまった。

☆SGH構想は、ここが判明する前にできあがったために、思考力の4~6レベルの話は共有されていない。日本語IBが始まれば、そこが鮮明になってくるだろう。

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☆この思考のレベルは、欧米ではブルーム型の「タキソノミー」を活用して研究が重ねられてきた。OECD/PISAも、SEFRもその例外ではない。にもかかわらず、日本の従来の学習指導要領は、この発想を盛り込めなかった。

☆なぜなら、東大の大学入試問題でさえも、タキソノミーで言えば「知識→理解→応用」レベルで十分だったからである。

☆グローバル教育の流れ、というより経済低迷を脱するためにグローバルリーダーを養成しなくてはと官僚が気づいたとき、リサーチするやタキソノミー型の思考力の段階を明快に設定しなければということになった。

☆しかし、大学入試がそういう設定になっていない。それでは、大学入試も変えようということで、大学入試改革一体型の学習指導要領改訂の作業が始まったわけである。

☆しかし、この流れに乗っていると2020年を待たねばならない。東京オリパラが終わってしまうではないか。それまでに、加速度的に改革を進める必要がある。

☆そこで、グローバルシチズン的発想の上記の表にあるような私立学校が、グローバルシチズンシップを育成している海外の学校や大学と連携し始めた。姉妹校という段階を超えて、互いのディプロマを共有するレベルである。

☆ハイレベル英語力とハイレベル思考力(クリティカルシンキング)とPBL(アクティブラーニング)が双方に同じレベルでもちあっていなければならない。

☆そういう流れがあって、上記の学校は「思考力テスト」を開発しているのである。

☆中でも、かえつ有明は、4年前から実施している。帰国生受験生ナンバー1の学校であるから、ハイレベル思考力の重要性を実践の中から体得していた。はじめのころは、塾や教育評論家に、今時「思考する問題」を出題していない学校はないから気が抜けていると言われた。

 

☆しかし、かえつ有明の石川副校長は、「思考力」がデノテーション的表現で使われていて、本質的なコノテーション的表現としてとらえられていない。だから、本質が見えないとピンときた。

☆1グラムの砂糖と2グラムの砂糖を足すと3グラムになる。40℃のお湯と70度のお湯を足しても110度にはならない。前者が外延量(デノテーション)で後者が内包量(コノテーション)。

☆デノテーションは単純な計算、コノテーションは複雑な関数方程式。石川副校長は、口頭のプレゼンで二次関数になっただけでわかりにくくなる。そういうときはどうするか?あっ!体験に限る。

☆そこで、思考力テストの対策講座として、思考力セミナーを行う戦略をとったのである。

☆この流れは、21会校(21世紀型教育を創る会)にもシェアされ、上記のように広まったのである。そしてついに21会校でない学校も思考力検査という適性検査と思考力テストを複合させるネーミングを開発して、思考力テストが広まり始めた。

☆したがって、、この動きは、国家という上からの教育改革ではなく、グローバルシチズンというフラットな教育改革が動き始めた兆しであろう。

☆なお、かえつ有明は、今回は思考力テストは一回だけだから、上記表は複数回の総数ではなく、実数であり、実質ここでもナンバーワンである。

☆かくして、現実的で実用的、短期見通しの横行している昨今、勇気を出して理想に燃え、創造的自信を学内で共有して、未来からの留学生のための入試として「思考力テスト」は開発されているのである。結果、上記表の学校は、フローズン中学受験市場を氷解させる勢いで進んでいる。

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