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2015首都圏中学入試【50】 未来の私学 質的均衡へ

☆リベラルアーツ、ハイレベル英語、ICT教育、学びの空間としての校舎、居場所の空間としての校舎、芸術であふれている空間としての校舎、多様な行事でアクティブラーニング満載の女子校。といえば、共立女子、八雲学園、大妻中野。まさに未来の私学のプロットタイプ。

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☆しかし、倍率速報などをみていると、昨年に比べ、出願数が少ない。それぞれの学校の広報の先生方は、冷静になりつつも、心中穏やかではないかもしれない。

☆とはいえ、出願総数をみると、大規模人数に変わりはない。何も動じる必要はないだろう。受験生もむしろ質の高い仲間がきちんと学校選択して受験しにやってくると思い、がんばってほしい。

☆さて、このような未来の私学の出願数が伸びない大きな原因は、中学受験が大衆化して肥大してきたのが、急激に縮小しはじめたからである。

☆サンデーショックの原因もあるが、本質はそこにない。

☆大衆というのは、目先の利益に反応するから、すぐに大学合格実績と費用対効果を考える。未来の私学は大学合格実績だってよいが、何せアートやリベラルアーツを大切にする。

☆大衆はこれが気に入らない。アートや能書きは贅沢だ、そんなものにお金をかけるのなら、進路指導に投資して欲しいという志向性なのである。

☆だから、大手中学受験塾が苦戦している。公立に行ったって、東大や早慶にはいれるから、中学受験は回避してもよいとなる。ところが実際は、高校受験というのは、自己否定感をつのらせる恐ろしいシステムだと言われているのに、そこをスルーしているから、大学合格実績だけでなく大切な感性教育があるということに思い知らされることになるのだが、そこはユデガエル日本だから、大きなお世話ということになる。

☆そんなわけで、上記3校は、定員も大規模校だから、大手中学受験塾の弱体化は、最初にダメージを受ける。

☆中学受験市場はかくして、量より質に転換する。歴史的必然なのだ。当然上記3校のような未来の私学は、サバイブ戦略はより質の充実と、それを普及するには受験生や保護者との豊かな対話が重要になる。ますます対話重視、体験重視の広報戦略をとるだろう。

☆しかし、それは自ずと量的には限界がでてくる。御三家を見たって、実質倍率は2倍から3倍で推移している。(御三家って対話重視で、体験重視だったかなと言われるかもしれない。そう思った方は、思考力の重要性を見逃している。御三家の入試問題は、良質の思考力テストだ。この問題に立ち臨めば、自ずと思考体験ができる。でもJGは普通ですよと。その通り。でも出題されるテーマは、十分革新的。それにJGの説明会は礼拝の体験会からちゃんと始まっているんですね。そして御三家は文化祭そのものが凄い体験会ですよ)

☆つまり、質的生徒募集人数という質的均衡点というのがあるのだ。かくして出願数が多ければ多いほどよいというバブリーな、つまり大衆化した発想はする必要がなくなる。

☆実は、米国でリベラルアーツカレッジに通う学生は、同世代で3%。大統領でリベラルアーツカレッジ出身者は20%と言われている。

☆3%がものすごいエネルギーを放つのである。首都圏の中学受験人口は、同世代の3%である。

☆97%は大衆でよい。吉本隆明のように大衆の中から創造的な革新が生まれるというのも大いにわかる。しかし、3%のエネルギーも多様性の1つとして保守しなければなるまい。

☆中学受験市場が大衆経済からクリエイティブ経済にパラダイムシフトする牽引者が、上記3校の未来の私学である。もちろん、すでに当局はそのことを認識していて、昨年から着々と質向上への階梯を昇っている。一例として、それぞれの学校の新たな動きを以下のホンマノオト記事で確認して欲しい。

参照)2015首都圏中学入試【16】 共立女子 俊敏なリスクマネジメント(1)

参照)八雲学園 ハイレベル英語

参照)2015首都圏中学入試【09】 大妻中野 驚きの俊敏力!

☆また、八雲学園と大妻中野は首都圏模試センターのサイトで「希望の私学」として紹介されている。必見!である。

参照)希望の私学 八雲学園

参照)希望の私学 大妻中野

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