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2016首都圏私学選択リサーチ【04】分析準備のために(4) 鴎友の場合

☆恵泉の話をしたら鴎友学園女子の話をしないわけにはいかない。新渡戸稲造とキリスト教のグループは違うが、≪私学の系譜≫の両雄のもう一人内村鑑三が影響を与えた学校。

Ota

☆聖書、英語、園芸を教育の柱にしているのは両校とも同様だ。神の言葉と人の言葉、そして大地の言葉をベースとしたロゴス中心の学校である。

☆教育ジャーナリストのおおたとしまさ氏も鴎友学園女子の入試問題から、同校の教育のメッセージを見つけ出し論じている。「ロゴス」という言葉をあえて使っていないが、ロゴス中心主義であることは見抜いている。

☆国語などオール記述式問題だし、算数も麻布や開成のように、大きな問題をだし、一行問題や計算問題をだすようなことはない。理科などは、丁寧に実験と観察を擬似的に行う資料やデータを提供して考察するようになっている。社会も同様だが、圧巻なのは住民投票や憲法などについて知識ではなくリーガルマインドの基礎を考える問題を出題している。

☆おおた氏の語るように「思考力重視」の問題が作成されている。ということは入試問題は「学校の顔」であり「メッセージ」であるから、6年間の授業も同様なのである。

☆だから、同校サイトを見ると、各教科の授業風景は、議論しているシーンが多い。いわゆるアクティブラーニングをすでに実践しているのである。

☆鴎友学園女子は、洗足学園とよく比較されるが、洗足学園に比べて入試問題は思考力重視の問題が圧倒的に多い。

☆しかし、洗足ののびやかさ、ある意味派手な知の活動が、あくまで相対的だが感じられない。洗足も、もちろん、聖書と英語は重視している。しかし、園芸に代わり全球の言葉を大切にする。自ら園芸するか、英米の都市の中に大地の言葉を聞くかの違い。

☆それに洗足はその伝統からいって、弦楽による芸術性が豊かである。もちろん鴎友学園女子も部活などで活発に芸術活動を行っているが、本格的なホールを活用しての芸術活動は、インパクトがある。

☆奥行きの鴎友学園女子、広がりの洗足学園といったところか。しかし、明快な差異はわかりにくい。

☆そんなとき、「思考コード」を活用して分析する。そうすると、鴎友学園女子は、丁寧に「理解思考」の領域を考える行為が中心。これは実は6年間の授業でも同じだろう。

☆ところが、洗足学園は、「突破思考」の領域を好む校長と広報部長が存在している。もちろん、ブレーキをかけるブレインもいる。いわば「突破思考派」と「理解思考派」の葛藤が学内にある。

☆一方、鴎友学園女子は、そのような葛藤はない。心理学と社会学の枠組みの思考力あるいは創造力を重視して大学進学実績もきちんと出るように授業が展開される。

☆見方を変えれば、洗足学園は人の力による教育で、鴎友学園女子は組織力による教育という違いがあるのである。

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