2015首都圏中学入試【74】 三田国際と中村 スタバとブルーボトル
☆空間にはアフォード力がある。立地条件は、通学空間として、キャンパス空間の延長であるから、とても教育の条件として重要である。
☆そして、立地条件は、企業の出店戦略においても極めて重要である。今回清澄白河にあのコーヒー業界のアップル「ブルーボトル」が進出することになった。明日6日オープンだという。
☆この地を選択した決定要素の一因に、この立地が、ブルーボトルの拠点サンフランシスコに相似するということがあるそうだ。要するに街づくりのデザインがガーデンシティだということ。
☆つまり、庭園発想というのは、立地空間にとても大切なのだ。そしてサンフランシスコはIT産業の集積地でもある。ITはフラットなネットワークを空間ベースとしていて、実は茶室と同質の感覚がある。そして茶室は庭園にしっかり組み込まれている。
☆グーグルの空間も茶室さながらであるが、未来の空間建築は、茶室的、つまり庭園、中でも大名庭園(明治維新のとき欧米人が目にした江戸は大名庭園集積地で、パラダイスだと感嘆したという。大小様様な浜離宮や六義園のような庭園がたくさん広がっていたのだろう)の発想が盛り込まれる。
☆したがって、ブルーボトルが選んだ立地条件は「庭園発想」であり、そこには「ITという最先端技術」と結びつく完璧性とアーティスティックなこだわりがあるようだ。そしてもちろん、「庭園発想」や「IT技術」は、コミュニケーションをnetworkからknotworkにシフトする「対話」の深層でもある。
☆さて、このブルーボトルの庭園発想、IT最先端技術との共感、対話のノットワーク化の3つを重視している学校が、同じ清澄白河にある。それは中村中学校。清澄庭園という大名庭園を借景に、ブルーボトルと同じように独自路線のこだわりをもち、中学受験市場で安定した支持を得ている。
☆そして、ブルーボトルとよき競争関係にあるスタバも、庭園発想とIT先端技術との共感、対話の深層を大切にしている。スタバの出店は世界に広がっているが、その中で唯一のこだわりの出店が二子玉川の玉川3丁目店。
☆立地は、二子玉川駅、瀬田、岡本の要に位置する。どんな意味があるのか。この一帯は国分寺崖線で、大名や政財界人の別邸がひしめいていた場所である。つまり清澄庭園のような藩邸平地型大名庭園ではなく、根津美術館の庭園のように、崖や谷のスロープを巧みにいかした別荘型の大名庭園。
☆その跡地が、五島美術館になっていたり、岩崎邸の跡地が静嘉堂文庫という美術館になっている。いずれも庭園は見事。
☆そして、今年6月、この地に楽天本社が移転する計画がる。まさにスタバ玉川3丁目店は、庭園発想の空間を好む市民とIT最先端技術に共感する空間に立っている。もちろん、対話の深層空間の中に商品を提供するのが目的である。
☆この延長上に用賀があるが、そこに今年の中学入試のトップニュースを飾るブレイクした三田国際が立ち臨んでいる。三田国際の戦略は、スタバと同様に高品質の量産である。だから応応募者総数も2000人を超えるスケールでダイナミックに活動し、庭園発想、ICT環境、対話空間をキャンパス内に一気呵成に作り上げてしまった。この登下校の立地空間と学内キャンパスの空間条件がアフォードして、グローバル学習が徹底されていく。
☆質とビジネスモデルの好対照であるブルーボトルとスタバ。その立地条件をそれぞれ共有する中村と三田国際。宮崎アニメvsディズニーアニメ、つまり「魔女の宅急便」vs「アナと雪の女王」の教育の質の競争の様相を呈する。
☆2015年中学入試もも終えようとしているこの瞬間に、はやくも2016年中学入試の論点が明確なくまどりを描きはじめている。
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