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2015首都圏中学入試【80】 聖学院と桜修館 思考力テストと適性検査は似て非なるもの

☆今年の首都圏中学入試では、今までにないほど英語入試や思考力テスト、適性検査が話題になった。大学入試改革一体型のグローバル学習指導要領改訂が本格的に動き出したから、英語力、思考力、判断力、主体性などがに焦点があてられているからだろう。

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☆英語の学びについて、20世紀型教育と21世紀型教育において扱いが違うのは明快である。というのも、20世紀型教育に英語力とは、リスニングとリーディングが中心で、21世紀型教育における英語とは、4技能すべてという違いがある。

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☆また、文科省自体が上記のようなCEFR対照表を公開し、レベル分けを明快に表明し、今後B2までの英語力を要求される。今までは、A2レベルの授業がほとんどだっただろう。

☆これに比べて、思考力とか適性検査というのは、どのレベルまで求めているのか不明ということになっている。知識を大量に憶え、知識をリンクさせて活用できればそれでよいということになってきた。

☆CEFRを使いながら思考力を、CEFRやOECD/PISAの参照規準となったブルーム型のタキソノミーを活用しないのはおかしい。

☆なぜできないかというと、知識を大量に憶え、知識をリンクさせて活用できればそれでよいというのは、CEFRでいえば、A1レベルでよいということ。タキソノミーも知識のレベル1からはじまってレベル6まで設定されている。

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☆学習指導要領的には、「知識→理解→応用」まで想定しているのだろうが、明快に表現していないために、ほとんどが「知識」レベルでおわる大学入試問題に合わせて授業が行われるようになっていた。

☆そこをなんとかしようとしたのが、公立中高一貫校の適性検査である。

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(昨年の桜修館の適性検査から)

☆ところが、上記写真の桜修館の適性検査のように、結局は年輪や木目に関する知識をしらなければ、課題が設定できない問題を出題してしまっている。穴をあけるということは、木材が割れないようにするわけだから、木材を輪切りにするのか縦に切るのかは考えねばならない。しかし、それは力学的知識をリンクするだけ。

☆論理と意欲をみる適性検査ということだが、大いに間違っているのは、意欲は興味と関心がわかない限りでてこない。この素材に興味と関心が持てない場合、意欲はうまれてこない。それを受験生の自己責任にするというのでは、適性検査とは妥当性・信頼性・正当性を欠く。

☆ところが聖学院の思考力セミナーでは、同じ木材から課題を発見する(昨年の第2回思考力セミナーでは、木材の切れ端4つがトリガーになっていた)にしても、自分なりに体感できるところからはじまる。つまり、木材それ自体に興味と関心があるかどうかではなく、自分の感じ方に興味と関心を持つところからスタートする。

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(聖学院の思考力セミナーでは、4つの木材の切れ端を手で触ったり、匂いを嗅いだり、五感で比較するところからはじまる)

☆最終的には、自分の気づきを150字で書くのだが、これは課題を発見するにいたる自分の思考過程をアウトプットするということなのである。課題を見つけるのに五感と論理を活用するから、好奇心や興味関心が生まれる。

☆その興味や関心は生徒1人ひとりによって違うから、モチベーションはアップする。

☆桜修館の適性検査は、一見自由記述だが、すでに解答がある程度準備され予定調和になっている。

☆聖学院は、そこは自由である。がしかし、なんでもよいというわけではない。与えらえた未知の知識をリンクしながら課題を発見していくから、視点や視角も生まれてくる。自分の中にある視点を脱構築してもよいわけだから、アップロードしていくのだ。

☆一方桜修館は、すでにトレーニングしてダウンロードされた視点で論理を構築していく。

☆思考といっても、自分の中にインプットされた知識だけを活用する段階とインプットされたものと新たに外部から他者の考えや情報をリンク・シェアさせながら考える段階とでは、全く違う。

☆前者は、「知識→理解:の段階で、後者は「知識→理解→応用→分析→印統合→創造(自己決定)」の段階。

聖学院の思考力セミナーにおけるプロセスの軌跡については、「希望の私学 聖学院」(首都圏模試センター)に詳しい

☆いずれにしても、思考力セミナーと適性検査が似て非なるものである。それに気づくには、CEFRやタキソノミーを学ぶ必要がある。

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