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新6年生のために(09)  工学院 強烈!理想と現実の一致へ

☆昨日17日(火)、工学院大学附属中学校・高等学校は、「PIL・PBL型の授業導入へ向けての研究と実践」の中間報告会を開催。60名以上の他校の先生方が参加した。

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☆報告会は、平方校長の開会の挨拶とPIL・PBL型授業は、時代が要請していること、未来からやって来た留学生にとって最も必要なIB(国際バカロレア)型思考力を育てるのに必要十分な学びの環境であるなどの導入からはじまった。

☆そして島田教頭からは、工学院流儀のPIL・PBL型授業の概要と、平方校長就任2年で、ここまできた物語が語られた。さらりと語られたが、今年の中学入試から、ハイブリッドインタークラスというオールイングリッシュのクラスを新設したが、それをつくるには、20世紀型授業ではうまくいかないので、このクラス新設にぴったり合わせて授業開発をしてきたことが伝わった。もちろん、一般のクラスも日本語でIB型思考を育てるには、PIL・PBL型授業が力を発揮するに違いない。

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☆それにしても、11人の先生方が中学から高校までのモデル授業を行い、全員で取り組む姿勢には、参加した他校の先生は大いに驚いた。一般にアクティブラーニングを行うかどうかは、1人ひとりの教師の判断であるのに、工学院では全員が取り組むという。そして、目の前で実際に行われているのだ。

☆驚きと同時に戦慄がはしった。というのも、自分一人が創意工夫して努力するのとはわけがちがう。学校全体で取り組むなどというのは、その合意形成はどうするのだろうか。

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(配布された資料は「宝物」である。ここまでシンプルにシステマティックにロゴス化されたシラバスは見たことがない)

☆そんな理想は、学内に潜む保守主義や隠ぺい主義や偏向主義、そして無関心層によって阻止されるケースがほとんである。それが、そこをどうやってクリアしていったのだろう。

☆強烈な理想と現実の一致を邁進するモチベーションはどこからくるのだろうか。おそらく、理想と現実のダイアレクティーク(リベラルアーツ的対話)は、ワクワクしながらも壮絶だったに違いない。

☆しかも、PIL・PBL型授業を行う前に、シラバスができている。11人の教師のシラバスは、それぞれ独自であるが、フォーマットができていて、そこに「思考コード」とそれに即した「PIL・PBL型授業の展開」が明記され、生徒とシェアする「エンパワーメント評価の項目」がロゴス化されている。

☆シンプルでシステマティックである。ここまでくるのに、カリキュラムイノベーションのプロジェクトチームが中心になり、教員全体研修とPIL・PBL型授業のプロトタイプとリファインのミーティングを有機的に運営してきたということのようだ。

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☆つまり、「学びの組織=V理論」を創り上げ実践してきたということだろう。学びの組織は、このシラバスに象徴されるように、①システム×デザイン思考が豊かになる必要がある。

☆プロジェクトチームという強力な②チームワーク力が必要だ。そして、理想と現実を一致させる(たんなる合意形成ではない)③コミュニケーション力も必要だ。

☆何より、④シェア。これは何度もプロトタイプをつくりリファインしていくリフレクティブマインドがポイント。だからプロジェクトチームと全体研修が必要だったのだろう。

☆しかしながら、最終的には⑤自己マスタリーだ。教師1人ひとりが授業法や生徒の成長を促すファシリテーションを学ぶ。どうやってか、今回のような自らの授業を公開して、外部から意見を受け入れることによってである。また、IB研修などに積極的に参加することによってである。

☆かくして、工学院のPIL・PBL型授業を教師全員で実践していく過程は、理想と現実の一致をめぐるワクワク感と恐怖感のダイアレクティークの連続だっただろうし、これからも続くのだろう。

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☆すでにBCカリキュラムを導入しオールイングリッシュのダブルディプロマコースのスタートをした文化学園大学杉並の先生と今年ブレイクし、IB導入を考えている開智日本橋の先生方も見学しに来ていて、生徒がアクティブラーニングになじんでいるのを見て、実際に浸透している実感を得たとか思考コードの発想は2020年大学入試改革に対応する新しい評価方法に大いに参考になると、話し合っていた。

☆未来志向型教育を行う学校の先生方の目の付け所はどうやら共通しているようだ。

☆今年の中学入試では、工学院、三田国際、かえつ有明という3つの共学校は、大いに注目されたが、今回の中間報告のような背景のエッセンスが、3つの共学校には、方法論はそれぞれ独自でありながら、共通してある。

☆なぜ注目を浴びたのか、実際多くの生徒が受験しにやって来た。それは個々の教師の力量と学校という学びの組織の相乗効果を生むスーパーグローバルティーチャーを大量に育成する学校マネジメント論が稼働したからだ。

その奥義は、3者の共学校が、2・22一堂に会して語り合う。受験生の保護者、および未来志向型学校関係者は必見だろう。

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