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新6年生のために(17) 量と質の情報を獲得しよう 幻影を払しょくするために

☆私が信頼しているM先生(21会に所属していないが強烈に21世紀型教育を推進している。情報は仲間だけから収集していたのでは偏向主義に陥るから、M先生との対話は大変貴重でいつも感謝している)によると、

この何年かの私学を見るに、良い学校なのに突然志願者が激減したり偏差がガタッと落ちる。この共通点は『立ち止まる』だと気がついているので、走り続けるしかないです。もちろん走り続けるからには、間違った方向へは走らないように。結論は勉強し続けて未来を見る目を養うしかないですね。

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☆ここには、質がどんなによくても、生徒が集まらないことがある。だから、なんらかのイノベーションは日々必要なのだと。しかし、それこそたいへんな事業である。そんなにイノベーションは生まれるものでもない。

☆ここに私立学校の先生方のジレンマがある。どこまでも教育の質を追求しなければならないが、それをアピールする表現も日々新たでなければならない。教育に深まりゆくと経営に問題が起こり、経営に目を向けると教育の質があろそかになる。

☆これは私立学校の宿命といえばそれまでだが、受験生・保護者の側も、量としての情報ばかりでなく、質としての情報も積極的に得るようにしたいものである。なぜなら、良質学校の経営を応援することは、未来からやってきた留学生の学びの環境に投資することだからだ。

☆図のAパターンが、量の情報と質の情報によって正確に学校・教育の質を得ている。説明会や評判などの目の前の情報は、結局は量的な情報だ。アクティブラーニングをやっていますは、決して質の情報ではない。

☆数字という記号になっていないだけで、たんにアクティブラーニングという記号があるよというだけなのだ。

☆これは極めて近視眼的で、図BやCのように、背景が見えない状態。すると、Bのように、入学して幻影ほどではないが、まあ見えたとおりかなというBパターンと期待を裏切られたというCパターン話になる。

☆ところが、Aは期待以上なのに、パースペクティブのトリックで、せっかく教育の質を表現しても、説明会や評判以上に見えないのである。入学すると、本当に期待以上でサプライズなのだ。信じてよかった!となるのである。この学校の代表例が、八雲学園。

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(サンタバーバラで海外研修。中3全員が訪れる。八雲レジデンスという自前の別荘級の宿泊施設も使う。ここから、研修終了後、3ヶ月留学に行く生徒も12人いる。)

☆しかし、八雲学園を最後まで信じる根性のある受験生は、今年に限り(来年は広報イノベーション、カリキュラムイノベーションで必ず巻き返す)、悲しいかな、説明会などで得た情報より期待感がワクワク、キラキラしている幻影のところに飛びついてしまった。

☆本屋や新聞などの紙媒体を扱っているところは、みなWebとの競争で苦しんでいる。これは質の高い学校が、広告のイノベーションがないから苦戦しているのと同じだろうか?

☆違う。本屋や新聞は、自らリソースをクリエイトしているわけではないから、そのリソースを手軽に安価に手に入れられる方にクライアントが流れるのは当たり前だ。

☆しかし、学校は、教育そのものは借り物ではない。教師の創造的な産物である。質が高ければ高いほど、ディープで光があたりにくい。

☆だから、広報のイノベーションが必要だ。ところがだ!いつの間にか、ワクワク、キラキラという感情を喚起する広報イノベーションが優先し、Bパターン、Cパターンに陥る場合がある。

☆どことは言わないが、共学化したり新築校舎建設をしたときだけは生徒が集まるが、しばらくするとBパターン、Cパターンであることが口コミで広がり、右肩下がりになる学校も多い。

☆一方、かえつ有明や工学院、三田国際のように共学化して、広報のイノベーションもするが、その背景にきちんとカリキュラムイノベーションを実践しているような学校は、量の情報と質の情報のバランスを、クライアントが見えるがままにするのではなく、シェアするようなイノベーションを開発しているのである。

Ps
☆見るがままにしておくと、広報と実際がイコールに見えてしまったり、期待外れになってしまうような幻影を生み出してしまう。

☆だから、コペルニクス的転回を行った。量の情報と質の情報のバランスを、未来からやってきた留学生にとって必要なカリキュラムイノベーションを行って見せたのである。

☆そして、思考力セミナーや体験授業などでシェアし、量と質のバランスをお互いに生み出した。今後の広報は、このPS(パラダイムシフト)パターンの広報活動ができるところが、カリキュラムイノベーションというディープな教育の質を生み出していることをシェアできるのである。

☆どこでもPSパターンが実行できるか?できない。なぜならカリキュラムイノベーションの実践が大前提だからだ。カリキュラムイノベーションはやっていないが、広報イノベーションは行っているというのは、もはやBパターン、Cパターンであろう。

☆M先生の学校が強いのは、まさに「結論は勉強し続けて未来を見る目を養うしかないですね」という言葉に象徴されているということなのである。

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