2015大学合格発表の季節(04) 東大合格の意味が変わる。 教育思想格差。
☆サンデー毎日2015.3.22.によると、
「今年は地方からの合格者が減った。中部地方は52人減、近畿は20人減など。増えたのは北陸地方だけで、14日に開業する北陸新幹線の効果だろう。地方が減った分、増えたのはが地元の東京で85人増だった。」
☆しかも、東京の私立中高一貫校が多くなったわけだ。このことが、何を意味するのか。富の分配は、格差が激しくなる。地方創生をきっちりやらねば、たいへんなことになる。
☆日本=東京都なんてことになりかねない。いや、すでに、東京都はグローバルシティとして、ロンドン、ニューヨーク、パリと肩を並べるポジションを獲得している。
☆東京と地方の格差は、富の格差もあるが、教育思想の格差もある。地方はどうしても20世紀教育志向だし、東京都は21世紀型教育志向となる。東京エリアと神奈川エリアでさえ、すでにその教育思想格差がある。
☆だから、東京の私立中高一貫校からたくさん東大に入るということは、東大自体がスーパーグローバル大学のリーダー大学であり、21世紀型大学になろうとしているわけだし、東京の私立中高一貫校も21世紀型教育へのシフトに拍車がかかっている。
☆そうすると、21世紀型教育なんて新し物好きのやることだと、非歴史主義的な発想の20世紀型教育志向の地方は、そもそも東大受験への熱が失われてくる。
☆21世紀型教育は、もともと1984年の米国の連邦報告書「危機に立つ国家」に端を発している。そのころから脱ゆとり教育までが、実はグローバルな21世紀型教育の第一の波だったのである。
☆しかし、これは9・11、ITバブル崩壊、リーマンショックの波などに襲われてしまった。ところが、3・11で、再び21世紀型教育の第2の波が生まれた。東京の私立中高一貫校は、熱の差や実行速度の差はあるが、この21世紀型教育の第2の波に乗り始めた。そのエポックが今年2015年中学入試だったのである。
☆というのは、受験生の親が、この第2の波を牽引している政財界で活躍しているグループが多いから、考えてみれば、必然なのである。政治の中枢であり、官僚機構や本社機能が集中しているため、当然富の配分の格差が地方と比べて大きいのだが、私立中高一貫校は、よしあしは別にして、その富が集中しているグループの子弟が集積している。
☆たとえば、東大合格者数ベスト10には、東京の私立国立が7校ランキング入りしている。
開成 176
筑駒 104
麻布 80
駒東 79
桜蔭 72
学芸大付 54
海城 54
☆この中で、最も21世紀型教育に大転換しているのは、海城であり、その成果として昨年に比べ16人増えている。開成、麻布もグローバル教育をいかに建学の精神をベースに組み換えられるか学内での議論や研究は進んでいる。
☆渋谷幕張は、千葉にあるが、渋渋と同じグループで、もともと21世紀型教育第1の波を牽引してきた。両校合わせると、86人東大合格者を輩出しているから、影響力は絶大である。
☆当然、開成、麻布、海城の動向はリサーチ済みだから、いずれ21世紀型教育の第2の波にのってくるだろう。それに開智のように、今年開智日本橋として東京に打って出てくる学校もでてきた。渋谷教育学園のようになる可能性が高い。
☆また、この21世紀型教育の打2の波は、桜蔭にしても駒東などにしても同じように影響するだろう。自治体から3か月留学制度の支援もあるし、iPadの支援も私学コンソーシアムからある。だから、高度な思考力を育むカリキュラムになっているところは、すぐに21世紀型教育の第2の波にノッてくるだろう。
☆すると、東大のスーパーグローバル大学構想の大きな実現への影響も相乗効果的として大きくなろう。
☆では、21世紀型教育の第2の波とは何か?それはIB型思考養成のシステム化による学びの組織づくりである。その一端を3月21日第2回21会「思考力×教育」セミナーで体験できる。
☆3月21日は、21会が構築している新機軸である21世紀型教育の第3の波の予兆も、かえつ有明副校長石川先生、工学院校長平方先生が講演する予定。
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