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2015大学合格発表の季節(05) 栄光と聖光の逆転の意味 神奈川エリア衰退の道をつくっている

☆今年の東大合格者数における栄光と聖光の逆転は、今までになく決定的だ。2012年→13年→14年→15年の順に、合格者数推移を比べてみよう。

栄光:70→51→63→43

聖光:64→61→70→70

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(かえつ有明の知の誘い「思考力セミナー」)

☆栄光の方がスモールサイズで、聖光より2クラス少ないくらいの卒業生数だから、実際には、こんなものなのかもしれない。

☆しかし、重要なのは、栄光型の教育では東大入試に合わなくなっているというパラドクスである。

☆聖光に限らず、浅野やサレジオ学院も東大の合格実績は増えている。全体的な比較をすれば、栄光は思考力重視授業で、他の3校は知識記憶重視授業。

☆ところが、他の3校も東大を受験する生徒に関しては、特別な「知識→理解→応用」レベルまでの受験型思考の徹底的なトレーニングを行っているはずだ。容易に想像がつく話だ。

☆一方栄光は「知識→理解→応用→メタ認知→統合→創造」というIB型思考を筑駒のように広く全体に行っている。

☆それは武蔵にも似ている。東大に行きたい生徒は自分で気づいて学んでいくのだという姿勢だ。

☆麻布も同じであるが、決定的に違うのは、入学する前から地頭の高い生徒が異常に多いという点。だから、麻布は別格として、栄光や武蔵、桐朋は、東大特訓特別講座みたいなチャンスを作っていないから、合格者がでるはずなのに出ないのである。

☆これをやっていくと、地頭の高い生徒が、集まらなくなるおそれがある。地頭が高いということを認識している生徒は麻布を受験する。

☆しかし、意識しない潜在的地頭の高い生徒は、開成や聖光など東大合格実績が高い学校に誘われてしまう。これも市場の原理だから、しかたがない。どんどん加速するだろう。

栄光のへこんだ分を、かえつ有明などのように、IB型思考力育成プログラムをシステム化し、学びの組織になる学校にシフトしていくのだろう。それが21世紀型教育という教育のイノベーションのなせる業である。

☆そして、次に20世紀型教育で東大コースのような特訓コースのようなものを密かにつくっているその部分を教育イノベーションが撃破することになる。

☆21会がまず渋谷教育学園グループのように教育イノベーションの衝撃を与え続けるだろうし、開智グループが渋谷教育学園グループのようになる。同じことが栄東グループにも起きる。

☆このままでは、神奈川が衰退するのは火を見るより明らかだ。不思議なのだが、聖光や浅野、サレジオ学院のように20世紀型教育でよいのだと歩調を合わせているのが神奈川エリアだが、それは聖光や浅野、サレジオ学院のために寄与するが、自分の学校にはまったく貢献しない。なぜ自滅の道を選ぶのか?

☆東大の定員は一定だ。2020年オリパラに向けて、ますます東京都のローカル化が進む。なぜ神奈川エリアの学校は、聖光や浅野、サレジオ学院のために歩調を合わせるのだろう?実に不思議である。

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