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2015大学合格発表の季節(06) 東大合格と21世紀型教育の意味①

☆東大に合格する環境は、少しずつ変わっている。実は、1984年に米国の連邦報告書「危機に立つ国家」や、1989年父ブッシュの教育政策「2000年のアメリカ 教育戦略」のときから、21世紀型教育が模索されてきた。

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☆それを次世代のブレア首相やクリントン大統領の時に第三の道の一環として21世紀型教育を推進した。その影響は総合学習をベースとするゆとり学習指導要領にも影響を与えた。

☆しかしながら、日本では、そのような21世紀型教育はなかなかなじめず、脱ゆとり学習指導要領にシフトしてしまった。これによって、東大を頂点とする学歴ピラミッドの大学合格実績に拍車がかかってしまった。

☆ところが、もともと21世紀型教育戦略は、IT業界の新市場拡大のための戦略であるから、脱ゆとり学習指導要領が反動的であることは、世の中はすぐに気づいた。

☆たしかにITバブルや金融資本主義は、いったん崩壊したかのように見えた。しかし、そのビジョンが20世紀型に置き換わるのは無理だった。技術革新はとどまることを知らない。

☆そこで、再び21世紀型スキルという新しい学びの環境を整える21世紀型教育が勢いを増してきた。つまり、日本が脱ゆとりになるや、世界は21世紀型教育の第2の波に乗り始めたのである。

☆知識重視主義から思考力重視主義にどんどんシフトしているグローバル教育は、ICT産業の市場を拡大する。ICTは、今では強力な知のインフラで、これを無視することはできない。

☆東大も導入しないわけにはいかない。すぐにオンライン授業がはいってきて、サンデル教授のようなスタイルの授業とそこでは英語が必要となる新しい教育シーンがパッと広がった。

☆とはいえ、まだ東大は21世紀型教育の第1の波に乗っているにすぎず、第2の波は2020年大学入試改革を待たねばならない。

☆世界は21世紀型教育の第2の波にのっているから、相対的に東大は変わっていないように見える。しかし、まだ20世紀型教育の中高は、相対的にはかなり昔の教育に見える。

☆だから、東大に合格者を輩出する中高には、20世紀型教育学校と21世紀型教育第1の波学校と21世紀型教育第2の波学校の3種類が混在するようになってきているにもかかわrず、その違いがはっきりせず、何か居心地が悪い。

☆東大の合格がどのような教育によって決まるかは、いまのところまだ鮮明でないのである。

☆東京の中高一貫校が、東大合格者を多く輩出する傾向の意味は、どうやら本当はそこらへんにある。

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