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新6年生のために(24) 中学入試はなぜ変わったのか?①

☆2月22日(日)、進撃の21会セミナーがあったが、その基調講演で、首都圏模試センターの北一成氏(取締役教務情報部長)が、今年の受験は、中学入試の市場の構造そのものが変化したと慧眼を披露。

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☆いま、おもしろいことに、この北氏の時代のパースペクティブの共有派と無理解派の議論が沸き起こっている。無理解派は、何かが起こっているが、北氏のパースペクティブは過激ではないかということのようだ。

☆時代をどう読み解くかは、人それぞれであり、一つの大きな潮流を作るのは、やはり市場それ自身だから、しばらく様子を見れば明らかになる。とはいえ、この時期に読まねば、2016年中学入試の生徒獲得戦略が定まらない。ここで右往左往、決断が遅いと、2016年中学入試はサバイブできない。そういう思いが、私立中高一貫校の経営陣や広報部の先生方の間で走っている。

☆そして、それは中学受験市場のプレイヤーである学習塾も同じであるから、中学受験市場全体を巻き込んで、時代の変化を読もうとしているこの現象自体、2015年はエポックメイキングな中学入試だったことを映し出しているといえよう。

☆では、なぜ中学受験市場に新しい市場が生まれたのか?市場を取り巻く状況を考える際、市場の構成要素に立ち戻ると、それは見えやすくなる。

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☆個人の価値意識や行動様式は、最終的には私事の自己決定であるが、その決定理由に影響を与える要素はいろいろある。経済学の失敗は、社会を構成する一部である市場における価格と同じく社会を構成する一部である生産部門と個人の合理的な経済人的モチベーションの関係だけで組み立てられたからだというのは、中高の教科書にでも載っていることだろう。

☆他の要素を無視してきたから、図1のような関係性がうまく循環していなかった。そこで環境破壊問題、格差問題、精神疾患、技術倫理の崩壊、サブカルチャーの暴走、文化の破壊などなど世界問題が噴出してきた。

☆というわけで、中学入試の市場も、特殊なエリアの市場でありながら、すでに英語入試や帰国入試、IB型思考の必要性、1条校のインターナショナルスクール化など、グローバルなエリアが覆いかぶさってきている。

☆もはや、今までのように、全国小学校6年生に占める首都圏中学受験生4%という特殊な市場で、東大ピラミッド大学への合格実績を競い合っていても成立できない市場に切り替わったというのは、さすがに頑迷固陋の持ち主でも理解しないわけにはいかないだろう。

☆もちろん、がらりと変わったわけではないが、かといって何か変化の気配を感じるという程度の変わり方でもない。三田国際やかえつ有明、工学院、桜丘、順天、聖学院、文化学園大学杉並、富士見丘の支持され方は、ただごとではない。

☆いまこれらの私立中高一貫校で実践されていることは、たしかに急に生まれてきたことではない。ハイレベル英語、アクティブラーニング、思考力テスト、ICT教育、グローバル大学、リベラルアーツ、1条校のインターナショナルスクール化という動きは、一つひとつとれば、1989年ベルリンの壁崩壊以降、さらに1995年にWindows95が販売され、20世紀末にジョブスのApple社復活以降、すべて世に顕れた現象だ。

☆しかし、それらすべてを学校全体で取り組もうなどというのは驚天動地ではなかろうか。そんな時代をエポックメイキングな年と呼ばずして何と呼ぼう。しかし、それでも、そんな偏差値の低い学校がやっていることなんてと、まだ頑迷固陋な見識者は認めない。いずれ偏差値も高くなるというのに。

☆なぜそうなのか?それは東日本大震災のときの見識者の方々の答弁を見て、だれしもが思ったのと同じ感覚におそわれる。この人たちは自分の身の安全だけ考えるどうしようもない人たちだ。

☆この中学入試の変化をはっきり認識しないで、阻むような判断や認識行動は未来からやってきた留学生である今の子どもたちの学びの環境を改善しない動きに転じることになるのである。

☆そうはさせてはいけないというのは、多くの保護者が感じることであり、子ども自身が自らのセンスでそのような窮屈なエリアを選ばないだろう。

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