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新6年生のために(53) 聖学院 IB型思考力着々

本日3月21日(土)、第2回21会「思考力×教育」セミナーが開催される。21会校である聖学院は、思考力テストのモデル校でもあるから、教育セミナーと同時開催の「IB型思考力」のワークショップを、同学院の本橋先生、工学院の有山先生を中心に両校の先生方がチューターになって実施する

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☆IB型思考力とは、昨今日本の教育界でも国際バカロレア(IB)の話題がメディアを通して頻繁に取りあげられるようになったので、ある程度イメージしやすいと思うが、IBのDPの科目である「TOK」という哲学授業で学ぶ思考力のことを指す。

☆あるいは、ロンドン大学のファンデーションコースであるUPCで学ぶクリティカルシンキングを想定している。

☆2020年大学入試改革でも、1点刻みのテストではなく、「思考力・判断力・表現力」を総合して評価する「大学入学希望者学力評価テスト」なるものが予定されているが、この場合の学力とは、まさにIB型思考力を想定しているはずだ。

☆今までの大学入試問題における小論文入試と大きく違うところは、自分の体験と自分の判断力を濃厚に論文に投影するところ。今までの小論文は、すでに与えられた素材や学部というポジションがすでに、どのパースペクティブに立って考えるかは限定的で、たとえば、自らが公正主義的立場に立って科学的視点でテーマを切り取る枠組みを設定できなかった。

☆しかしながら、グローバル人材を養う世界の大学は、その自分の立ち位置や視点こそ明らかにしなければ、互いに寛容な心的状況でコミュニケーションなどできないから、交渉などできない。

☆異文化や異質な価値観をもった人間同士のコミュニケーションができるからこそグローバル人材なのである。

☆その点、聖学院は毎朝の礼拝で多くの先生及び戸邉校長のスピーチを聞きながら、自分の判断ポジションをリフレクションする祈りの時間がある。そこでどんな話を聞くことができるかというと、たとえば、「学校だより」の戸邉校長の巻頭言がまさにそうなのである。

「悲しみ、絶望、怒りがぎっしり詰まっている地球は、1%、1000万人が地球の50%の富を保有し、80%は、57億人は貧困層だという現実がある。ヨーロッパやその他多くの国は移民を抱えた多民族社会となっている。移民の人々(聖書は寄留者と呼んでいる)の大部分は極貧の暮らしの中にいて、二世代三世代が出口のない貧しさと差別の中にある」

☆と始まる戸邉校長の判断ポジションは、明らかにman for othersという共生主義。そして哲学的視点で世界を読み解き、実践的に解決しようとされている。

☆そして、このman for othersの発想こそ、IB型思考の端緒でもある。素材やケースは違うが、判断ポジションと切り口である視点は、聖学院の場合は教師も共有している。

☆だから、この共生主義的世界観と哲学的視点をもって、糸魚川農村体験、沖縄平和学習、タイ研修などを行っていく。

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☆そして中学3年間のLHRでは、「L.L.T」というアクティブラーニングを行って、様々な体験で気づいたり発見したことを、議論しながら発展させシェアしていく。

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☆そこで、培われたIB型思考力は、他流試合でも成果を収め、生徒たちは、創造的に思考する自分たちの才能に自信を持つこともできる。

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☆そして、そのIB型思考は、サッカー部のリーダーシップ研修などにも応用されている。つまり、IB型思考とは、リベラルアーツの発想そのものなのである。

☆「学校だより」は、このIB型思考が、あらゆる行事、部活、学びに染み渡っていることが、描かれている。

この冊子にまとめられている聖学院のIB型思考ベースの教育を映し出している鏡が中学入試で実施される「思考力テスト」である。入試問題は学校の顔であるとよくいわれるが、なるほどその通りである。

P.S.

このような聖学院に憧れる男子生徒は、もはや偏差値で学校を選ばない。自分の判断力と意志力で聖学院を選ぶ。今年も偏差値59から69までのレンジの生徒が多数入学していく。結果的に来年の予想偏差値はあがるから、この循環は聖学院の偏差値もあげることになる。

本物教育が結果的に偏差値をあげ、大学進学実績も向上させるシナジー効果を生む象徴的な男子校が、聖学院なのである。

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