« 21世紀型教育を求めて≪03≫三田国際 異次元の教育始まる。 | トップページ | 21世紀型教育を求めて≪05≫根源的教育に21世紀型教育のヒントはある。 »

21世紀型教育を求めて≪04≫グローバル維新2089始まる

☆時事通信 4月5日(日)2時33分配信によると、

政府は、教育制度が発達段階にある国や地域に対し、読み書きや計算など基礎学力を重視する日本式の初等中等教育システムの導入を働き掛ける方針を固めた。学校運営や教師の研修といった日本独自のノウハウを、導入先で丸ごと展開する考え。このため学校法人や教育業者と連携、その海外進出を支援し、国際貢献とビジネスチャンス発掘を両立させる。

Img579

☆いよいよ始まった。どこどこの国の改革ではなく、グローバルレベルでの改革。まさにグローバル維新2089の始まりである。

☆オバマ大統領が、CCSSを断行したように、高大接続の学びの基準を高いレベルでグローバルスタンダードにしようという動きは、米国だけの話ではなく、グローバルレベルを射程においている。

☆同様に、初等中等教育の学びのレベルは、英語以外は日本をベースにグローバルスタンダードにすれば高いレベルになる。実際、数学などは、CCSSの基準を作るときに、日本の学習指導要領が取り入れられている。

☆したがって、初等中等教育の教育制度がまだまだリキッドモダニティに対応していない国に、日本の初等中等教育をソフトパワーとして販売することはすてきなことだ。

☆これぞ、教師はコストではなくアセットであることを証明できる機会でもある。ただし、日本の初等中等教育は、まだ20世紀型教育、3Xではなく、3R中心。3R中心が、民主主義を阻害する教育になっているというリフレクションがないまま輸入されるのはリスクが高い。

☆当面は、学校法人と教育産業の連携だから、21世紀型教育を目指す私立学校と20世紀型教育の枠内でしか動いていない教育産業との葛藤をどう調整するかが課題になるだろう。

☆それにしても、この記事で見逃せないのは、

「途上国への教育システムの提供は、欧米の一流大学の分校開設など高等教育での事例がある一方、各国の社会制度や文化事情が反映される初等中等教育は世界的に例がないという。」

☆というパラグラフ。日本の大学は参戦できないけれど、日本の初等中等教育は参戦できると、日本の大学の敗北を認めた形の記述になっている。

☆それがゆえ、2020年大学入試改革というわけだ。それにしても明確に「学校法人」とある。つまり、これは端的に言えば、「私立学校」ということ。これは明快に公立学校は市場のメカニズムについていけないということを文科省自ら宣言していることになる。

☆文科省は一方で、東大教育学部に従い、私立学校より公立学校の面倒をめちゃくちゃみる。しかし、その一方で、経産省に押されて、私立学校を最前線に送り込む。ここにソフトパワーがあるということを知っているからだ。このヤヌスの側面は、明治維新以降変わっていない。

☆かくして、21世紀型教育推進校は、初等中等教育におけるグローバルリーダーになる。もっとも、その前に、広域制通信制の法制度を国内から海外にも広げれば、20世紀型教育ベースの私立学校の通信制高校でも、すぐに動き出せる。これは下村文科大臣の野望でもある。

☆ここからは、私の妄想。

☆その先兵は広尾学園だろう。広尾学園自体は通信制高校は持っていないが、理事長は経営している。広尾学園は、今や20世紀型教育のベンチマークになっている。20世紀型教育でも、ICTと英語の導入し方いかんによって、東大をはじめとする大学進学実績を急激に向上させる破壊的教育イノベーションを起こせることを証明した。

☆このソフトパワーを、理事長が自身の経営する通信制高校にシェアし、それを海外も含めた広域制の通信制高校で、海外にシェアしていく。そうすると、広尾学園のような教育を実践する学校がアジアに広がる。

☆渋谷教育学園グループは、一度はシンガポールでそれをやろうとして失敗しているから、その動きを察知して、他の通信制高校とコラボレーションして動き出すだろう。もしかしたら、大学を自前で持っているから、大学を通して展開していくかもしれない。

☆かくして、従来型のドメスティックな中学受験市場の御三家ピラミッドは瓦解し、首都圏の中学受験は、広尾・渋谷教育学園モデルにシフトする。

☆ところが、そこにちょっと待った!と埼玉エリアから開智学園が闘いに挑む。アクティブラーニングという21世紀型教育を前面に押し出し、開智国際大学を通して21世紀型教育ベースの日本の中等教育のソフトパワーを海外とシェアする。こうすることで、開智国際大学のプレゼンスも急激に上昇する。

☆すると、栄東がだまってはいない。元祖アクティブラーニングの沽券にかかわるとばかりに、参戦するだろう。これによって、埼玉の20世紀型教育ムードは一変する。何せ、この動きは公立学校を保護している文科省のお墨付きがあるのだから。

☆かくして、文科省はSGH、日本語IB、アジアへの進出などなどの布石を十全に打っておき、今度こそ3Rから3Xへというグローバル学習指導要領を推進させようという目論見がある。公立学校を守らなければならない文科省。でも公立学校を変えたい文科省。ゆとり教育は、20世k型教育の牙城に斬り込むことができず、一端脱ゆとりと称して撤退。今度は失敗は許されない。

☆教育の黒船は、どんどん日本に入港しているからだ。文科省には伝統的に松下村塾の血と勝海舟の血が脈々と流れているようだ。

☆さて、われらが21会校はどうするか、すでい聖パウロ学園は通信制高校の部門も持っているので、同志校はその学習センターになれば、通信制高校の機能を活用できる。

☆また、工学院やかえつ有明は大学をもっているから、大学機能を活用し、その大学のプレゼンスをあげることも戦略的に視野に入れているだろう。

☆ただ、21会校はすぐにはこのマーケットには参戦しないだろう。なぜなら、アップル社が支援しているP21やマイクロソフトやピアソンが支援しているATC21sの学力レベルは、タキソノミーでいうレベル4までしか射程にはいっていない。日本のSGHもCEFRでB2までとしているから、やはりレベル4までだ。

☆なぜ21世紀型スキルのルーブリックレベル4とCEFRB2が同じなのか?おそらく日本の教育では永遠にわからんだろう。それは、オバマ大統領の政策CCSSのカリキュラムがレベル4までに規定しているところからも明らかだが、なぜレベル6までではなく、レベル4までなのか。

☆21会は、イギリスや米国のエスタブリッシュの教育を目指しているから、当然レベル6までである。しかし、それがゆえにマーケットは狭い。もっとも、オール開智がスーパー21世紀型教育を行い始めるや、21会校も動かざるを得ないだろう。

☆それにしても米国は本当にプラグマティズムだ。ローティーというスーパープラグマティストは、意外にも中等教育段階ではレベル4まででよい。論理的思考力で十分である。クリティカルでクリエイティブなエスタブリッシュの学校がやっているレベル6までの教育は、大学に行ってからでよいのだと論じきっている。

☆それは、道徳発達段階でもレベル4までということなのだ。民主主義の徹底は、レベル4まででまずは十分だからだ。それ以上行くと、実は民主主義のリスクが訪れる。そのことをローティは米国の政治経済のリアリティに即して知っていたのだ。それゆえプラグマティックなのである。

☆ところがヨーロッパは、やはりルソー―ピアジェ―ハーバーマスだから、レベル6である。イギリスもコモンセンスのレベルは6で、その歴史のない米国は、そこをより大衆化するには、レベル4まででなんとかしなければ覇権を握れなかったのである。

☆ところが、米国にもハーバードやMITのようなヨーロッパの伝統を濃厚に引き継ぐエスタブリッシュな大学がある。そして、そこにつながるエスタブリッシュなプレップスクールがある。多様性の米国がゆえに特異点も受け入れている。

☆とくにMITメディアラボは、ピアジェの弟子のシーモア・パパート教授が、3Rから3Xにシフトすることを推進し、すでに1967年に子どものためのAIロボット開発に着手し、レゴでアクティブラーニングを行う教育も加速させた。

☆21会校は、この系譜にあるから、どうしてもレベル6にならざるを得ない。

☆というわけで、私の妄想は果てしないのだが、今年から本格化するグローバル学習指導要領編成作業や2020年大学入試改革に向けて、新たな布石が打たれようとしているのは、間違いない。

|

« 21世紀型教育を求めて≪03≫三田国際 異次元の教育始まる。 | トップページ | 21世紀型教育を求めて≪05≫根源的教育に21世紀型教育のヒントはある。 »

21世紀型教育」カテゴリの記事