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21世紀型教育を求めて≪11≫ フィンランドの教育変わる ジョブスを逆手に

☆The Huffington Post  2015年04月07日 18時38分にこんな記事が掲載。「学力世界トップレベルのフィンランドで教育が大きく変わる 3つのポイント」

☆21世紀初めのあのノキアの勢いに陰りが見えてきたので、経済回復のために教育改革をというのは、日本も同じ話だし、考えてみれば、先進諸国はみな教育改革のスタートラインに立っていると言える。

Quartz
(2014年10月10日の衝撃的記事)

☆フィンランドは2014年10月、アメリカの格付け会社スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)によって、最上級のAAAから、1段階格下げのAA+と格下げされた。この景気低迷に対し、フィンランドのアレクサンデル・ストゥブ(Alexander Stubb)首相は、CNBCのインタビューで「ノキアとフィンランドを殺したのはアップルである」とコメントしたというからストレートだ。

☆iPhoneでノキアは追い詰められた。iPadで製紙産業は衰退の危機に追い込まれたというのだろう。

☆しかし、ボヤイていてもしかたがない。教育改革を行い。右肩下がりのアップルを見事にV字回復したジョブスのような人材資産を育成すべく教育改革をやろうよということになったのだろう。

☆そこで2016年から2020年までに、3つの柱を強化する。

①PBL=Phenomenon based Learningの浸透

②PLCプロジェクト=Playful Learning Centre プロジェクトの促進

③協調学習による教師と生徒がいっしょにつくる授業・評価への新展開

☆おそらく、②や③はiPadを使って!なんてなったらおもしろすぎる。しかし、本質的なのはPBLだ。これはすごい。ジョブスのコンセプチャルメイキングの手法をシステム化し、ドッと一気に、グローバルエコノミーを牽引するリーダーを育成しようというのがねらいだからではないだろうか。

☆どういうことかというと、フィンランドの教育省のスタッフや教師は、みな大学院に進むし、学校で教えていても大学院で研究もできると聞いたことがある。それに数学と音楽は極めて伝統的に大切にしてきている。

☆つまり、教育における学究がベースであるから、哲学は基礎教養である。イギリスは哲学といtったとき、大陸の欧州の哲学は嫌うから、ヒューム、ベンサム、ミルズなど経験主義、合理主義、功利主義がベース。

☆一方その対極に、カントやヘーゲルを好むのは欧米だ。Phenomenonというキーワードを使うのも彼らの特色。そしてそれをさらに別角度から光をあてたのが、フッサールとハイデガー、ハンナ・アレントなどだ。

☆Phenomenonへのアプローチは彼らによって異なるが、共通している点は、一つの現象に関わる多くの現象を読み解き、その関係性全体を捉えようとする点である。

☆この一つの現象に多様な人・もの・情報・かね・自然・社会などなどが関わる関係性を考える学問をPhenomenology(現象学)という。

☆だから、Phenomenon-Phenomenologyという関係を教育の中にいよいよ浸透させようということだろう。この関係性は、多様な関係なのであるが、その多様性を平衡にシフトする原理を見出すところにいくのが、学ということである。

☆だから、教科横断型とか学際的といったとき、多様なものを並べて終わっては、そこに一貫性をつくりだしている魂、原理というものがみえない。だから、本当の学際的とか教科横断型というのは、最後は、多様性から1なるものに向かっていくのである。

☆このことをフィンランドでは、インターディシプリンと呼ばず、マルチディスプリンと呼んでいる。

☆そして、これをフッサールは現象学的還元と呼んだ。現象学的還元?なんだそりゃあ!っとなって日本では拒絶されるだろうが、実はこれ日本人の大好きな思考方法。

☆現象学的還元を英語にするとPhenomenological reduction。なんてことはない、多様な現象の関係性を引き算して抽象しようね。数学的な関数方程式にまとめようね、もっと簡単に言えば、コンパクトにしようよということ。

☆なんだ、日本のお家芸ではないか。そしてジョブスが好んだ引き算の美学だ。

Photo

☆ピカソにとって「牛」は、人生における重要なテーマ。このテーマを巡る現象を多様な角度から描きつづけた。ディテールにこだわった絵から引き算して抽象化した絵まで。そしてその現象学的還元の果てに生の意志や世界を丸抱えして表現したい欲求というピカソ自身の魂を見出した。

☆Phenomenon based Learningとはこのジョブス的才能、とはいえ欧州や日本の伝統的なミニマリズムという関数方程式を見出す手法なのだが、あるいはマンダーラの多様性の中心にブッダを見出すブッディズムのように、世界を見通し包括するマインドを育成しようというのがフィンランドの教育改革なのである。

☆ジョブスという人材を介することによって、21世紀型スキルが根源的教育から発出していることがよ~くみえてくる。

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