21世紀型教育を求めて≪55≫ 学校と塾の境界線の越境の予感②
☆大手塾でも中小塾でも、アクティブラーニングへの取り組みがスタートし始めた。その取り組みのコンテンツやアプリのサポートをしている株式会社FilipSilverlingの福原将之氏(代表取締役/サイエンスコンサルタント)と先日また対話した。
☆福原氏は、同行取材した富士見丘のアクティブラーニングのプログラムを先生方が独自にリサーチし、議論を重ね、試行錯誤しながら創作しているのに驚いた。
☆学習塾と違い、20世紀型から21世紀型シフトは、かなり難しいだろうと思っていたからだそうだ。
☆塾の場合は、市場のトレンドをつかみ、変化に敏でなければサバイブできないが、逆に学校は社会の本質的転換が授業改革に結びつかない限り市場のトレンドには右顧左眄しない。
☆それが学校のシフトと学習塾のシフトがシンクロしているようにみえるのだから、本当に世界は変わる時代が来てしまったのだという実感を互いにもった。
☆また、その前日の夜、英語塾キャタル代表の三石郷史によるラジオ番組
《In The Dreaming Class》にゲスト出演していたこともあり、その実感はますます増幅していった。
☆自分がゲストで呼ばれたというより、どのような方々が出演しているのかの方が興味深かった。このラジオ番組の録音はキャタルのサイトにデータベース化されているから、一覧のみならず、出演者の話も聞くことができる。
☆私塾界の山田氏が、ここに出演している塾は、みな異端であると語っていた。たしかに20世紀型社会では、異端であったのだが、今はそれでなければ通用しない時代なのだと。
☆20世紀では異端だったが、今は21世紀を牽引する「異端塾」の意味をおさえることは極めて重要なのだろう。英語塾キャタルはその時代をラジオ番組で編集しているのである。
☆福原氏との出会いや中学受験の模擬試験を運営している首都圏模試の山下氏や北氏との出会いも、21世紀を牽引する「異端」の徴に共感しているのだろう。そもそも21会(21世紀型教育を創る会)校との出会いはそれ以外の何物でもない。
☆そんなことを感じながら、キャタルのサイトを閲覧していると、学習塾ロジムの野村氏もゲスト出演していた。かつて同塾の出現に新しい予感を感じて、本ブログに書き込んでいただけに、やはり時代の読み解きの方向性は間違っていなかったのだと思った。
☆そういえば、かえつ有明の「思考力テスト」(このタイプの入試の先駆け)が立ちあがったときも、このような動きとシンクロしている。
☆そのようなことをつらつら思いながらfacebookを開くと、為田裕行氏 (教育ictリサーチ)が、執筆したロジムの記事がシェアされていた。≪「公立小学校にて、学習塾ロジムのオンライン学習をスタート!」(2015年5月11日)≫がそれであるが、これは実に2020年大学入試改革対応の動きの象徴である。
☆ロジムのロジカルシンキングの教材がオンラインで公立小学校に導入されたということなのだが、このロジムのロジカルシンキングの基本発想は麻布や武蔵、開成などのディープな思考力問題。
☆そのエッセンスを公立学校で学べるのは、知の階級構造の越境以外の何物でもない。知識偏重時代の20世紀では、こんなことは例外的なことだったが、ロジカルシンキングという人間共通の思考力は、塾も学校もない。質の競争が働くわけだが、だからこそどんどん拡大する動きだろう。
☆しかも、2020年に実施予定の大学入学希望者学力評価テストなるものは、ロジカルシンキングをダイレクトに問うてくることは文科省のスケジュールにすでに組み込まれている。
☆それに向けて学習指導要領の改訂も開始された。そのような高密度な時代の中に学習塾と学校の境界線が越境される活動が起きているというのは、すさまじい変化が加速する予兆だろう。
☆おそらく2035年には、学びの拠点は学校からはみ出しているだろう。
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