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アクティブラーニングとは何か?(7) 生徒の声がプログラムをバージョンアップ

☆アルザスのアクティブラーニング最終日、リクヴィルという「アルザスの真珠」と呼ばれる小さな都市を歩くことにした。

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☆500年前からのまま残っている最古の村。城壁もいまだに残っている。

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☆ヨーロッパ中世以降の影響を残した都市のモデルとして参考になる。日本にいると都市というのは、他人が作ってくれて、他人が守ってくれる。お役人のお仕事と勘違いしている場合が多いが、ここはそうではない。そんなことを気づいて欲しい。

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☆最終日だからそんなところでまあいいかと思っていたら、生徒からこんな声。「美しい街なのはわかるけれど、コルマールの方が栄えているじゃないですか。わざわざここにこなくても、都市のつくりかたは同じようなもの。たしかに小さな村だからわかりやすいですけど」と。

☆そこで、近くのシゴルスハイムに登った。なぜアメリカの国旗が?どうしてリクヴィルからここなの?最終日だというのに。。。そんな声がかすかに聞こえてきた。まあ、あの旗の向こうを見てごらん。

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☆ブドウ畑、黒い森、ライン川、コルマール・・・。曇ってはいたけれど、美しい自然が広がった。生徒は美しいと、しかしすぐにバスで移動するときの景色と変わりないじゃないかと。

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☆後ろをふりかってごらん。徳江先生は、「ここは、第二次世界大戦のとき、フランスとアメリカをはじめとする連合国軍とドイツ軍が激しく戦火を交えた場所です。コルマールも含めて多くの町は戦火の傷跡は説明できないほどだったんですよ。そのとき亡くなられた無名戦士の墓地があそこにあるのです」と。

☆そのとき、生徒は言うまでもなく、リクヴィルがなぜ「アルザスの真珠」と言われるのか、本当の意味を理解した。

☆アクティブラーニングとは、表層的な問いかけから深層的な問いかけに生徒自らが歩んでいく探求の空間そのものである。

☆なぜフィールドワークが重要かというと、そこには空間と時間が過去から未来にかけて比較できる体験をすることができるからだ。私たちは東京でも同じような経験をすることができるはずなのが、東京に昔から多くの人が生活しているわけではないから、いまここでという空間と時間しかリアルに経験できない。

☆しかし、戦後70年という歴史は、ヨーロッパのお話しというような他人事ではないのである。私たちも当事者だ。そのことに対する深い探求への問いが開かれた瞬間だった。

☆無名戦士の墓地に向かって黙とうを捧げながら、かつて戦火で荒廃していたが、今では美しさをとりもどしたアルザスの光景を、未来にも持続するにはいかにして可能か?そう簡単な問題ではないが、生徒1人ひとりその未来にかかわる自分を見つめる最終日となった。

☆しかし、そうなったのは、一見表層的ではあるが、深層的な問いを求める生徒自身の声が発端だったことを忘れてはならない。



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