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SGTがたくさんいる学校を探そう!(了)

☆SGT(スーパーグローバルティーチャー)は、CCT(クリティカル&クリエイティブシンキング)を育成する21世紀型のアクティブラーニング(ハイレベル言語からはじまり思考力テストの作成、エンパワーメント評価などが行われるPIL×PBL×ICTの学びの空間デザインなどを包括する意味で)をデザインするみならず、New Powerのリーダーでもある。

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☆21世紀型教育については、前回述べたので、今回はニューパワーリーダー(NPL)について述べよう。NPLは当然組織づくりをするが、その組織は学習する組織である。

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☆この学習する組織の≪私学の系譜≫は松下村塾である。「君の志は何ですか」とメンタルモデルである松陰は門下生に問うのである。この問い自体が松下村塾のビジョンであることは言うまでもない。

☆当時は1人ひとり、まして下級武士の志などまったくもって無視されていた。それなのに、松陰は「君の志は何ですか」と問い、門下生はことあるたびにこのビジョンを脳裏で繰り返すのだ。

☆この問いこそ、門下生に永遠に鳴り響き、今も私学に継承されているCCTのトリガークエスチョンである。1859年松陰は死んだが、それによって魂となった。その魂こそがメンタルモデルで、そんな簡単に魂を口にすることは本来はできない。がしかし、私学はどこもそのトリガークエスチョンを継承し、メンタルモデルをシェアしている。

☆というのも、松陰同様、当時の幕末の武士から軍事力でもなく経済力でもなく、教育力で世界を変えようとした私学人、たとえば、福沢諭吉、新島襄、江原素六は、みな青年1人ひとりの未来をつくろうとした。

☆そして、松下村塾に象徴されるように、門下生とよく対話をし、助け合った。福沢諭吉は、戦後民主主義の旗手丸山真男に「議論」の重要性に気づかせたぐらいだ。その当時のチームで学ぶことの重要性は、イギリスのチュータリング制度に勝るとも劣らなかっただろう。

☆そして、そこで議論されることは激高し感情を高鳴らすだけではなく、「飛耳長目」と松陰は呼び、とにかく国内外から情報や知を収集し歴史の全貌を捉えることだった。1959年以降、それが≪私学の系譜≫となった。江原素六も福沢諭吉も新島襄も松陰が果たせなかった海外渡航をし、グローバルな知を生徒たちに結びつけた。その知の結び付けかたこそシステム×デザイン思考でアクティブラーニングに他ならない。

☆そして、教える教わるの関係ではなく、互いに学び合うチームを連綿と編み続けた。それが今の私学にも継承されていることは言うまでもない。

☆彼らは≪私学の系譜≫第1世代であるが、第2世代の内村鑑三、新渡戸稲造は、クラーク博士の「少年よ大志を抱け」の洗礼を受けている。この大志を抱けという言葉は、君の志はなんですかろいう魂に通じるだろう。

☆内村鑑三、新渡戸稲造が多くの私立学校の開設にかかわったのは言うまでもないが、戦後の民主主義を支える教育をつくった多くのメンバーの中心的支柱だったことは言うまでもない。つまり魂。

☆SGTがNPLであるゆえんは、もう一つの側面がある。それは資金調達の技術である。松陰の門下生が、志を全うし世界を変えるために、松陰の書を写本して販売した。今でいう出版である。松陰の影響を受けた坂本竜馬も海援隊をつくるとき資金調達に奔走した。

☆ここに私学の資金調達のモデルがある。≪私学の系譜≫の第1世代に渋沢栄一がいる。かれは教育にも力を入れた。そしてその教育を支える理由は、彼の資本主義に対する精神から流れ出ている。渋沢翁は、「論語と算盤」を書いている。つまり道徳経済合一論者だった。

☆第2世代には嘉悦孝や大妻コタカもいるが、孝は「怒るな働け」と説いた。道徳と経済を結びつけていたのだ。コタカは「恥を知れ」と説いた。魂を置き忘れるなということである。

☆21世紀型教育を学習する組織をベースに創り上げ、その全貌を受験生の親とシェアする広報活動こそ、生徒が集まる資金調達の方法であることはもうおわかりであろう。

☆「君の志はなんですか」「世界を変えるために動きます」という生徒1人ひとりのCCTの熟達こそが21世紀型教育の今も響く根源的なものであろう。

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