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2016中学入試動向ウオッチ【014】 男子御三家の終わり(3)

☆しかし、決定的に興味深かったのは、御三家の校長は、もはや知の時代ではない。心や身体といった感性を大切にする時代だと同調したところにあった。

☆そのためには、体験が重要だし、試行錯誤も、生活力もつけなくてはならないと。また、目はかけても手をかけすぎてはいけない。自律が大事だよと。

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(御三家の校長がかたる倫理性や判断力、感性の豊かさに関する教育ははっきりいって聖学院のほうが質が高い)

☆しかも、知の部分はもはや学校でなくても学べる環境にあるというのだ。江っ?では学校としての役割はというと、結局倫理性と感性や人間関係力などの社会性の育成にあると。

☆そうであれば、何も御三家を選択するよりも、もっと破格の体験や感性育成プログラムや社会性育成環境が豊かに広がっている男子校はたくさんある。

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☆結局御三家は、SAPIXが生徒募集を担保してくれるから、教育の質の競争を他の男子校とする必要がないのである。何せ御三家ダンジョンなのだから。

☆北原校長のコーディネートは、ここでものすごく巧妙なコントロールと化した。智や知恵はもはや学校でなくても育成できるというのを何度も確認し、大事なのはそれ以外の教育の質だという枠組みに持っていった。

☆この枠組みでは、もはや男子御三家は競争相手でなくなるからだ。

☆しかし、この北原先生の巧みなコーディネートのトラップに武蔵の校長梶取先生は気づいた。

☆ディスカッションの中で、知、知恵は、知識と曖昧にも同義で使っていた。だから、知識と言い換えた。知識偏重教育の時代ではないのだと。

☆せっかく柳沢先生も知育・徳育・体育のうち、知育は学校でなくてもできる時代だと言ってくれたのに、知育のうちの知識に限定しなおしたのだ。

☆それ以上はディスカッションは深まらなかったが、見事に知識とレベルが違う思考を要する知恵の部分は、他の男子校と大きな違いになるはずなのだが、そこは暗黙の了解ということで終えた。

☆それゆえ、全体としては北原先生は、知育での差異ではなく、徳育・体育における教育の質が御三家に比べ本郷は高いのだという印象を創り出すのに成功した。

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☆御三家の校長は、本当はハイレベル思考が決定的に違うのだと言いたいところだったが、ここで自己アピールをする必要はまったくない。会場校で、男子校フェスタの実行委員長北原校長の顔を立てる紳士然とした態度をとることを選択したようだった。

☆それにしても、4人の校長は、グローバル時代は多様性だから、世代間の多様性を大切にしているなどというまことしやかな子供だましを語っていたが、それは多様性とは全く違う。苦し紛れの方便に過ぎない。

☆しかもSAPIXという優勝劣敗価値観中心の生徒で埋まっているわけだから、縦割りだろうが横割りだろうが、多様性などない。

☆湖にはまって、自分の髪の毛をひっぱてそこから抜け出ようとしている少年のような答弁を御三家の校長はしていたのだ。

☆海外の留学や交換留学の機会もあるというが、聖学院や芝浦工大に比較すればその割合は圧倒的に少ないはずだ。

☆「男子御三家の終わり」。男子校の受験市場も新たな次元にシフトしたのである。(了)

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