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2016中学入試動向ウオッチ【039】 かえつ有明 連携する同僚性が強いわけ

☆6月19日(金)、かえつ有明は、全国私立中学高等学校私立学校専門研修会の学校視察の舞台となった。全国から訪れた00人ぐらいの教師が、かえつ有明のアクティブラーニングを視察した。

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☆「サイエンス科」の授業と「プロジェクト科」の授業、そしてTOK型授業の3種類がセットされていた。

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☆とはいえ、「サイエンス科」は英語、数学、国語、社会、理科、美術などの各教科の先生が、順天堂医大の小論文で出題された写真をトリガーに、クリティカルシンキグを生徒とアクティブラーニングしていくスタイルだから、すさまじい。

☆しかも、ブルーム型タキソノミーに沿って、情報収集→情報整理・分析→情報統合・発表を行っていくスキルは同じものを活用(学年によって進む深さはもちろん違う)する。ただし、ポストイットを使ったり、少し用法を変更した写真と比較させたり、被写体をどの角度から写すかその違いを比較することをさせたり、道具は各教科、各教師の創意工夫に任されている。

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☆タキソノミーに従ってクリティカルシンキングの過程は共有するが、道具はさまざまであるがゆえに、教師の層の厚さに参加した教師は舌を巻いていた。スキルを共有し、道具は創意工夫することによって、生徒どうしの思考作業の「1/Tゆらぎ」が強くなっている。学びの組織としては最強である。

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☆ダッツン先生による、TOK型授業は、英語で帰国生と哲学対話する授業であまりにも有名である。

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☆佐野先生・金井先生による「プロジェクト科」の授業も、実はダッツン先生の哲学授業同様、正解がひとつではない問いを探す思考の旅にでる授業。客観的な解法があるわけでもなく、主観的で恣意的な思考がゆるされるわけでもない。

☆対話をしながら、インター主観をありのままに広げていき、本質的な問いにたどり着くプロジェクト。

☆ダッツン先生にしても、佐野先生・金井先生にしても、ブルーム型タキソノミーを参考にして、情報収集→情報整理・分析→情報統合・発表を行っていくスキルは同じものを活用する。

☆ダッツン先生はどちらかというとフッサール的な現象学的還元というセオリーに基づいたツールを活用し、佐野先生・金井先生はU理論に基づいたツールを活用する。

☆だから、スキルの共有と創意工夫したツールの差異という不協和音がショパンの演奏のように実に魅力的なのだ。あるいはバッハの対位法的といってもよいかもしれない。

☆参加した教師はアクティブラーニングを学ぼうとして見学しているから、その段階では、要素分解主義で、要素関係主義になっていない。だから、なぜこんなに同じことができながら、創意工夫もできる感動的なチームワークがとれているのだろうと不思議がった。

☆しかし、その疑問を解消するには、見学する側も、要素還元主義から要素関係主義にシフトしなければならない。

☆そのうえで、再度問い返さなければならない。この「関係性」とはいかなるものなのかと。

☆それは同僚性という精神的共感性もあるだろうが、それは友情としての絆をつくるが、組織としての絆をつくることがない。

☆同僚と及び生徒全体がフラタニティーを共感することは非常に重要であるが、それは理想をはるかに超える不可知の領域である。大切なことはそれを追求しながらも(=マインド)、組織として1/Tゆらぎを強くしていくスキルとツールとセオリーである。

☆マインド×スキル×ツール×セオリーによる1/Tゆらぎの強さの共有こそ、教師間、教師と生徒、生徒と生徒などの連携がシームレスにできるようになる。そして、1/Tゆらぎが強いと、当事者のハピネス度は高くなるのである。それゆえ、生徒はどんどん集まってくる。

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☆ともあれ、それでは、そのマインド×スキル×ツール×セオリーとは何か?石川校長は、そこは暗黙知を創出する領域ゆえ、実際に試行錯誤して取り組む以外に術はないのだと。

☆真理は目の前にあるけれど、了解するには時間がかかる。なんでメーテルリンクなオチなのだろう。しかし、それこそアクティブラーニングの醍醐味である。

☆とはいえ、大きなヒントを紹介しておくと、石川校長と先生方は、face to faceの対話が頻繁である。会議ではなく対話。これが1/Tゆらぎを強くしている。

※1/Tゆらぎについては、≪センサー技術で、「組織幸福度」の高速フィードバックを経営に活かす時代へ 特別鼎談:日立製作所矢野氏 × 入山章栄氏 × 佐宗邦威 氏 中編≫を参考にした。

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