2016中学入試動向ウオッチ【044】 共立女子 ついに動き出す!思考力中心主義へ牽引。
☆今春中学入試から、適性検査型入試やPISA型入試が各校に拡大し、さらに2020年大学入試対応型の「思考力テスト」も聖学院、かえつ有明、工学院、桜丘、富士見丘、聖徳学園をはじめとする21会校を中心に増えた。
☆そして2016年、中村のポテンシャル入試に象徴されるように、ますます2020年大学入試改革における国立大学の独自入試の思考の深さに対応できる教育を行うことを宣言する「思考力テスト」が新設されている。
☆その動きの中で21会校である共立女子もついに動き出した。2月4日「C日程」入試を「記述型入試(合科型論述テスト+算数)」に変更することを決断。
☆もともと、共立女子は、教科横断型のアクティブラーニングは随分前から実践しているし、中学時代の読書―作文―ブックトークの流れ、美術の自己探究アートプログラムはあまりに有名。
☆入試問題は学校の顔であるから、当然この領域の入試問題があってよかった。しかし、中学入試全盛のころは、受験者数が膨大になり、なかなか踏み切れない事情があったと思う。
☆しかし、今中学受験は大衆化からグローバルエリート化しようとしている。量ではなく質の時代を迎えている。ここでいうグローバルエリートとは、世界的視野で善なる人間として生活をデザインするために投資をする人々のことを示唆するが、そうなってくると、1人ひとりの才能を評価するテストが極めて重要になってくる。
☆したがって、共立女子の「記述型入試(合科型論述テスト+算数)」の導入は時代の要請に対応する動きとして大いに評価できるが、それだけではなく、共立女子が動けば、大妻や豊島岡女子もなんらかの形で動かざるを得なくなるだろう。
☆というのも、実はこの「記述型入試(合科型論述テスト+算数)」は口頭試問型の面接も行うことになり、豊島岡女子が動かなければ、JGの併願校が共立女子にシフトする可能性がでてくるからだ。
☆大妻は、共立女子と競合校であるから、動かざるを得ないのだが、桐朋女子の併願校としても共立女子は浮上する。何せ中村ではないが、ポテンシャル入試の意味があるから、桐朋女子を志望する生徒の中には共立女子も射程に入れることになるだろう。
☆2020年の大学入試改革が話題になっているが、要は過渡期である。偏差値で学力競争ができる機会と才能という質の競争ができる機会の両方を創ることが2016年の入試のトレンドになるだろう。それを象徴する動きが共立女子の決断ということになろう。
☆今この両方の機会を有している女子校はどこだろう。桜蔭、雙葉はすでにそういう入試問題。JGは学校説明会×入試問題×面接がセットになっているので、入試問題だけ見ているとわからないかもしれないが、ちゃんと2つの機会をつくっている。桐朋女子もすでに行っている。
☆思考力テストを行っている女子校は、富士見丘。2016年予定されているのが佼成学園女子と東京女子学園。英語入試という意味では大妻中野も才能者を確保しようとしている。ポテンシャル入試も「思考力テスト」のグルーピングにはいるから、中村も動いている。
☆大妻中野や実践女子、東京女学館、頌栄、洗足のように帰国生入試の大量の受け入れシステムができている女子校も多様性という観点からポテンシャル入試を行っていると言えよう。
☆適性検査型入試を行っている女子校も多い。この入試は2020年大学入試改革に直接向けられたものではなく、公立中高一貫校を意識したものだが、ある程度ポテンシャルをみることはできる。
☆誤解をおそれずに言うと、従来の知識学力ベーストテストと21世紀型の思考力ベーストテストの2つの機会を創れる女子校が激動の時代をサバイブできるということではないか。
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