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子どもの未来を救う私立学校 逆説的な日本国家

☆田村耕太郎氏の著書「アジア・シフトのすすめ」をキンドルで購入し、つまみ食い。まったく草枕さながら、開いたページからインスピレーションをいただいた。前後の文脈はどうかわからない。

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☆本書に「シンガポールのエリートの日本観」というセクションがあるが、これがなかなかよい。

シンガポールのエリートのあこがれは、「政府がダメでも、世界経済がクラッシュしても、何とかなっている日本の基礎力のすごさ」なのだ。彼らはこの国を引っ張る人たちなので、日本の政治や政府とよく付き合っている。「いかにリーダーがたいしたことないか、いかに意思決定ができないか」もよく知っている。それでもびくともしない日本の蓄積にあおこがれているのである。

☆これってどういうことか?実は東京都の高校は私立学校が多い。東京というエリアに200弱の私立中学校がある。

☆つまり、経済と教育の私事の自己決定ができる環境が、東京に集積している。このことはどういうことであるか、日本国内でもあまり知られていないし、私立学校に通っている生徒や家庭の方々もたぶん自覚していない。

☆しかし、自らの最高の富を、人材投資だと志向している集団が東京エリアに集積している。

☆彼らは基本日本国家の人材投資の仕方に依存しない。自分で判断し自分で選択し自分で意思決定する。

☆彼らの人材投資の場は、何も日本国家でなくてもよい。世界で自分の才能を活かせるところが東京だったとしたら東京にいればよいし、シンガポールならシンガポールだし、アメリカならアメリカで仕事を見いだせばよいのである。

☆彼らは、江戸幕府が閉塞状況に陥ったとき、世界を相手に葛藤したり、世界と哄笑したり、世界にシフトした人材の末裔である。≪私学の系譜≫と呼んでいる。

☆彼らが日本国家を支えているかどうかはわからない。しかし、平野啓一郎さんの「分人」としての個人主義の考え方を合わせて読めば、国家の時代でもグローバルな一つの世界の時代でもなく、分人としての個人が越境して生き抜いていく時代である。

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☆つまり、彼らにとって、アジア・シフトでもアフリカ・シフトでもなく、世界の分人どうしがダイレクトにネットワークを組みながら、自分にとって最適な環境を創出するのみである。それを互いにリスペクトしてコラボしながら創っていく。

☆このことを一番分かっているのが実は東京都であり、文科省である。当局にとって、私立学校の系譜を自由に羽ばたかせておくと、その中から東京都や日本国家を救うエリートが現れる確率が高くなると思っている。

☆しかも、そのようなエリート以外は、税金という形で、東京都と日本国家に貢献してくれる真の経済特区なのだ。

☆そのことは、明治維新以来、私立学校が軍国主義にも社会主義にも与しないで、独自の倫理的自由経済圏を創ってきたことを見れば了解できるだろう。

☆政府要人とつかず離れず独自路線を歩んでいた下田歌子が常に幸徳秋水ら社会主義者につきまとわれていたことは、そういうことを示唆しているのではあるまいか。

☆いずれにしても、下田歌子のような私学人はまさに「分人」としての個人の代表的人物である。

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