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2015年東京私立学校展 教育の質の競争的共創市場のはじまり(5)

☆21世紀型教育とはしかし、≪私学の系譜≫に還りながら、未来の新しい学びの場の在り方を構築することである。まだ気づかれていないが、そのポテンシャルを開花一歩手前の女子校が富士見丘である。

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☆富士見丘は、グローバル教育の最前線にいる学校であり、SGH校として高大接続システムの新たなモデルになっている学校である。しかしながら、20世紀型教育が生み出すケイオスが最も嫌っていた「忠恕」を理念として果敢に21世紀型教育を歩んでいる女子校がゆえに、ある意味無視されてきた。

☆20世紀型教育の生み出してきたケイオスを心理学者や精神分析学者は、今や「不寛容な病」と呼んでいる。

☆この「不寛容な病」を治すマインドが「忠恕」そのものにほかならない。だから、「不寛容な病」にかからないように富士見丘を選んだ受験生は本当に幸せである。そして彼女たちは、不寛容な病を一掃する生き方をするのでもある。

☆実はこの「忠恕」の精神は、1600年代生まれの中江藤樹の思想にまで還りながら、そこから吉田松陰、その門下生と受け継がれ、やがては内村鑑三に継承され、再び≪私学の系譜≫にたどりつくのである。

☆富士見丘は、第二次戦争下に誕生し、今年75周年を迎えているが、まさに戦争という20世紀型近代社会の不寛容な病の救済の場として開設したのである。

☆上記の書を執筆したしたのは、同校の英語教諭である高柳俊哉先生である。中江藤樹の現代的意義を「忠恕」に見いだしている。

☆そして、内村鑑三がキリスト教のマインドの原点を中江藤樹に読み取り、英語で「代表的日本人」を書き、西洋文化と日本の文化(内村は、西洋文化をイエスキリストに見、日本文化を代表的日本人に見て、2つのJとみているぐらいだ)を考察したように、英語教師である高柳俊哉先生は、グローバル教育を実践しつつ、日本の陽明学の祖中江藤樹を研究し、表千家の茶人でもある。

☆明治の私学人が著した英文の傑作は、内村鑑三の「代表的日本人」以外に、新渡戸稲造の「武士道」、岡倉天心の「茶の本」があるが、高柳先生の心性も彼ら私学人に通じる。

☆彼ら私学人は、≪私学の系譜≫二世代目で、第一世代である福沢諭吉や江原素六は、キリスト教やイギリス経済学に造詣が深い一方で、儒学にも当然ながら深い想いがあった。

☆つまり、高柳先生は、現代にその≪私学の系譜≫を脈々と継承している。富士見丘には、そんな教師がいる。しかも、それは教育理念「忠恕」そのものを検証する歴史的書まで執筆しているのである。

☆20世紀型教育は最終的に不寛容の病を生み出してしまったが、それを払しょくできる教育のもロールモデルが、富士見丘なのである。

☆ところで、≪私学の系譜≫といえば、カントを代表とする啓蒙思想家の影響を受けているが、その啓蒙思想家が影響を受けた思想は、これまた儒教なのである。

☆かくして、≪私学の系譜≫の歴史観は円環的時間意識、つまりモモとシンクロするのである。

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