« 2016中学入試動向ウオッチ【054】 改革3点セット 十文字のグローバルビジョン | トップページ | 2016中学入試動向ウオッチ【055】 桐蔭 溝上教授のもとで授業型アクティブラーニングの基礎編確立 »

2016年続々中学入試改革の潮流の行き着く先 AI革命

☆2016年の中学入試改革は、以前のように日程変更、科目変更といったマイナーチェンジとしての動きではなく、大学入試改革をどう読むか、その読みに合わせていかなる授業改革を行うか、そしてその改革した授業のエッセンスを反映する入試問題はいかなるものかという中学入試改革の大転換の流れになっている。

Photo_3

☆この中学入試改革の大転換の流れは、たんに中学受験市場のお話しではとどまらない。というのも中学入試市場とは、塾と学校が作る消費経済の場ではなく、なんといっても保護者という消費者が、未来の人間力を求める創造的な場だからだ。

☆入り口はたしかに受験である。しかし、そのかなたにあるのは子ども自身の未来である。その未来がどうなるのか。子どもが18歳になってから、自分で考えることであるという牧歌的な時代でないことは、誰でも知っていることだ。

☆そしてその未来の大きな変化がどうなるかは、2020年の大学入試改革の話題もヒントにはなるが、今のところ世界スケジュールで行けば、2045年問題であるとはっきりしている。

☆リチャード・フロリダは、すでに21世紀初頭に、第1次産業、第2次産業、第3次産業という従来の産業構造カテゴリーに収まらないクリエイティブ・クラスという新しいカテゴリーを発見した。

☆そして重要なことは、クリエイティブ・クラスの3条件は、3T(タレント・テクノロジー・トレランス)であると規定した。

☆もちろん、21世紀初頭のタレントやテクノロジーであるから、SNSが広がり、ディープラーニング型AIが今のように大きな話題になっていないときのものだから、氏の理論が以前より話題になることはないだろうが、技術的な要素を入れ替えれば、今でも十分に参考になる考え方だ。

☆この3Tの中で、普遍的なものはトレランス(寛容性)ということだろう。グローバルは多様性の越境である。コミュニケーション・スキルが重要になるから、英語英語という話だが、その大前提はトレランスである。

☆一方で、グローバルを支えるのは、ICT技術である。中でもAI(人工知能)が前面に出てきている。となると、正義問題が重要になるが、サンデル教授の4つの正義判断のどの正義判断をするのか最終的意思決定はトレランスがないととんでもないことになる。

☆では、トレランスは道徳によって育つのか。否である。トレランスとは、自然と社会と精神のエコロジーである。人間の道徳はその大きな輪の一部分でしかない。

☆この自然と社会と精神の循環を見失わせている環を見つけること。これがトレランスである。したがって、リベラルアーツ教育が大変重要になるのだ。

☆これで3Tは見えてきた。トレランスは、リベラルアーツ教育によって、タレント(才能)はアクティブラーニングによって、テクノロジーは理数教育によって形成される。

☆この3Tをすべて備えている人材がクリエイティブクラスとなる。そして、2045年の産業構造では、農業であれ、工業であれ、サービス業であれ、すべては論理的に計算できるものばかりだから、AIベースの産業にシフトする。

☆すると、従来の農業革命、産業革命を通して積み上げてきた産業構造分類法は、意味をなさなくなる。農業も、工業も、サービスもAIによって生み出される商品でしかなくなるからだ。しかもその生み出される手法は、従来の産業横断的にならざるを得ない。

☆よって、2045年が「特異点」と言われているのは、AI革命がやってくるということなのだ。かつて農業革命は自然をコントロールした。産業革命は機械をコントロールした。そしてAI革命では人間の脳をコントロールする。

☆農業革命は、自然育成量の臨界点を超えた。産業革命は物質の化学反応の臨界点を超えてしまった。そしてAI革命は人間の脳神経の能力の臨界点を超えようとしている。

☆そんなのはSFのお話に過ぎないと思うだろうか。農業革命のときも、神を恐れぬなんとかかんとかと人々は恐怖を抱いた。

☆産業革命のときも、機械が人間の生産性を凌駕すると恐怖がられた。

☆そして、今AI革命を迎えようとしているとき、人間の脳がコントロールされると警鐘が鳴らされている。

☆2045年、AIレイバーになるか、AIワーカーにあるか、AIクリエイターになるか。コントロールを免れるには、AIクリエーターであるクリエイティブ・クラスに一縷の望みを託すしかないのだろうか。

☆そんな人生の選択は、遠い将来ではなく、すぐにも決定を迫られる時代がやってきてしまった。

|

« 2016中学入試動向ウオッチ【054】 改革3点セット 十文字のグローバルビジョン | トップページ | 2016中学入試動向ウオッチ【055】 桐蔭 溝上教授のもとで授業型アクティブラーニングの基礎編確立 »

21世紀型教育」カテゴリの記事