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2016中学入試動向ウオッチ【051】 かえつ有明 時代の質の変化生む

☆かえつ有明の石川校長と話をしていたとき、ふと質の変化が生徒の側からもやってきていると語られた。

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☆おそらく今春から高校募集を再開したからこそ感じられたことなのかもしれないが、生徒自身が、解答の決まった世界ではなく、未知なる世界に臨んだときに、いかに自分なりに状況をオーガナイズし、インナーボイスでクリティカルチェックしながら、難所を乗り越えていく方法を見いだしていく問題解決力や新し知識/概念そのものを生み出していく創造的思考力を希求していることを明快に感じているという。

☆中学入試では、保護者の方々の意識の変容ぶりは明快だが、受験生はまだそこまで明快に意識はしていないかもしれない。

☆ところが、高校受験生は、自ら時代の変化を感じ、その激動のなかで、自分の才能を開花し、いかにサバイブしていくかを受けとめる感度が豊かなのであろう、それにデジタルネイティブであるから、かえつ有明のサイトにアクセスして自ら情報を収集してもいるだろう。

☆石川校長ビジョンは、実は高校を探している中3生にウケているのかもしれない。多感な時期にこそ、哲学的理想は共感するものである。石川校長の生徒に教訓を垂れる雰囲気がまったくなく、ストレートにそれでいて多角的に考える哲学的トークが共感的コミュニケーションとなっている可能性がある。

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☆そして、その共感的コミュニケーションを「授業」という場自体で実践している佐野先生・金井先生をはじめとする先生方の高1の「プロジェクト科」の情報に触れて、さらに創造的自信がもてる自分の場所がここにあると何かが響いているのであろう。

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☆ダッツン先生をはじめとする外国人教師の哲学授業(もちろんオールイングリッシュ)も、口コミで高い評判が広がっている。本日の帰国生の編入試験には19人も受験したと石川校長から連絡があった。

☆おそらく中高の思春期において、やはり疾風怒濤の小説や詩、そして哲学、美術、音楽、スポーツといったリベラルアーツ的な雰囲気は、多感な生徒たちに響くのではないだろうか。

☆かえつ有明が、ケンブリッジの雰囲気に共鳴し、ケンブリッジ大学学習プログラムを大切にしてきたことも、中高段階でリベラルアーツ学校に質的に変容したのに関係があるかもしれない。

☆実はこのリベラルアーツを大学でではなく、中高段階で行うというのが英国流儀。米国では、大学に入ってからで、実は高校まではロジカルシンキングまででいいということになっている。

☆どちらの方法がよいかが問題ではない。大学でやらなければ中高でリベラルアーツを、中高でやらなければ大学でリベラルアーツをというのが時代精神の流れである。

☆日本の教育では、下手をすると中高でも大学でもリベラルアーツ体験をしないまま社会に出る可能性が大である。

☆しかし、夏目漱石や村上春樹に代表されるリベラルアーツを彷彿とさせるストーリーが世界で共感されるように、疾風怒濤の思春期に突入している中高生は、名前はしらなくても「リベラルアーツ」的雰囲気を希求しているのではあるまいか。

☆だとすれば、かえつ有明が時代の質を大きく変える拠点となろう。

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