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2016中学入試動向ウオッチ【055】 桐蔭 溝上教授のもとで授業型アクティブラーニングの基礎編確立

☆聖学院の児浦先生のfacebookで教えてもらった素敵なYoutubeがある。それは桐蔭が溝上慎一教授(京都大学高等教育研究開発推進センター教授)を教育顧問として迎え、アクティブラーニングの研究と実践を行っているが、そのプロモーションビデオである。13分弱あるので、コンセプトとプロセス、効果が伝わるようになっている。ぜひ下記からご覧いただきたい。

→桐蔭のアクティブラーニング

Mizogami

☆溝上先生はアクティブラーニングの理論と実践の講演や著書で大活躍の先生だが、私はなんといっても、中原淳先生と共著の「活躍する組織人の探究」を推薦する。

☆このビデオも、プロモーションという意味もあるので、極めて平易に語られているが、アクティブラーニングは大学や社会につながる、つまりトランジションを前提にしていると溝上先生が語るとき、明らかにこの書で記述されている研究の成果が前提になっている。

☆この書は、大学と企業就職の接続の話がメインであるが、高校と大学入学接続にも考え方は応用できるとするものである。

☆要するに、ペーパー試験だけではなく、中高や大学でどのような学びの体験をしてきたのかが問われる時代であることを先導しているのである。

☆このようなコンセプトをもった先生を教育顧問とし、その学びの体験として授業型アクティブラーニングを実践している先生方の姿勢や楽しいし理解が深まるし話すことで多様な見方を知ることができるとアクティブラーニングの有効性を語る生徒の姿に、桐蔭が大学進学実績を究極の目標とするのではなく、大学や社会で生徒がパワフルな活動や探究を行っていけるようになることがねらいであることが伝わってくる。

☆これは桐蔭も21世紀型教育に大転換することを宣言するものだろう。このシフトに躊躇しているのが神奈川エリアであるから、桐蔭の動きは神奈川エリアの中学入試に大きな影響を与えると思う。

☆さて、このビデオからわかる授業型アクティブラーニングは、溝上先生という文科省の枠の中で発言せざるを得ない立場がゆえに、限界もある。

☆基本的なアクティブラーニングの手法は、先生の講義を一方的に「聴く」受動的授業から、生徒が「書く・話す・発表する」活動を挿入していくもの。これは誰でも行う共通した手法。

☆はじめ溝上先生児自身は、40分講義をして、のこり10分くらいでペアワークやディスカッションすることで、授業内容の理解を深める程度のイメージだったようだが、桐蔭の先生方は研究熱心で、その時間配分をすぐに逆転して行ったので、驚いたようだ。

☆この講義→対話×ディスカッションのスタイルの時間配分はともかく、いずれにしても、このままでは、問いの構造は、知識を問う、理解を問う、応用を問うというものである。

☆特に、先生方が課題設定が重要だという時、実は課題そのものは受動的に生徒は受けとめることになり、まだ思考のレベルは、従来の大学入試レベルになっている。

☆思考のレベルをタキソノミー的にロジカル、クリティカル、クリエイティブなステージにアップしていくことは、おそらく溝上先生も桐蔭の先生方にも自覚がない。まだはじまったばかりだからでもあるが、そこまでが文科省の限界であり、現状で2020年大学入試改革対応の限界である。

☆2020年大学入試改革の本当の重要なところは、基礎学力でも希望者学力評価の2つのレベルではない。その先が重要なのだ。しかし、これについては今のところ多くの学校が画竜点睛を欠く話し方をしている。

☆文科省は2つのレベルの話で十分であるが、大学の独自入試はそのレベルをアップさせるのかしないのかで、グローバルコンピテンスに対応できるかどうかが決まる。

☆大学や社会につながるといったとき、それがグローバル社会を含むとしたら、その限界を越境することが求められる。

☆しかし、今回のビデオの意義は、この限界線がどこにあるのか明快に表出する貴重な映像となったということである。日本の私学のアクティブラーニングの進化のパースペクティブを明快に映し出した画期的な業績である。

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