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2016中学入試動向ウオッチ【065】 富士見丘 集まる勢い!OG見事に教育の質を証明♪

☆昨日の富士見丘の説明会で、強烈に感動したのは、2011年に同校を卒業し、東京芸術大学で学び、今年9月にニューヨーク大学の大学院に進むOGのSさんが見事にすてきに富士見丘の教育の質と自分の人生の旅路における故郷であることを証明したプレゼン。凄いなあ!なんども心の中で繰り返した。

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(ポスターを描いたのも在校生。富士見丘は、音楽や美術のアートシーンで満ちている)

☆Sさんに限らず、富士見丘の生徒は、教師と生徒の距離がとても近く、先生方のコメントは通り一遍の形式的なものではない。生徒1人ひとりの様子や状況に寄り添って、的確なコメントを返してくれると語る。そしてまた、何よりいっしょに考えてくれると。

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☆つまり、教師と生徒どうしのこのような対話は思春期を経る時の想い出以上のものをつくるというのである。友情においても全く同じで、実際に先生とも友人ともその対話は今も現在進行形なのだそうだ。SNSの世界ではいつでも立ち寄れる故郷になっているようである。

☆思い出という話はよく聞くが、ここまでの絆が続いているいうのは、故郷喪失のこの時代、絆の重要性が希求されているこの時代に、実に得難いことではないか。しかし、客観的にみると、それは欧米の名門校と同じ質感のスモールサイズの教育の成果であり、海外など多くのネットワークをもっていて、アイデンティティを形成することの大切さを身をもって体験できる教育環境があるからでもあろう。

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☆また、中1から高2まで、「5×2」という自主研究の探究活動が有効だったとSさんは語る。夏休みの自由研究のような探求を、毎年1年間継続する、いわゆるプロジェクト型学習が、久しい前から富士見丘にはある。

☆Sさんは、中1の時にファッションデザインの探究をしたそうだ。もちろん、その探究意欲や知的好奇心が、現在の自分を形作っていると。

☆この「5×2」は、客観的にみると、富士見丘が最も影響を受けているイギリスの名門校の考え方だ。オックスブリッジではチュータリングという。だから、同校における教師と生徒の対話は、心理的な成長段階に応じるものだけではなく、知的形成の発達段階にも応じるものなのである。

☆教務部長の関根先生をはじめ、学術書も執筆するような優れた教師陣がゆえにできることでもあるのは言うまでもないだろう。

☆しかも、この「5×2」のレポートは、Sさんは一部分は英語でも表現したという。そのとき外国人教師の先生に積極的にサポートしてもらったという。門をたたけば機会をいくらでもつくることが出来るのが富士見丘なのだと。

☆Sさんは、アートとデザインのコラボを仕掛けたいと考えているようだ。たしかに、アートは一握りの成功者しかいないから、アーティスト全体への投資額は少ない、それに比べデザインやファッションには巨額の資金が回る。多くのアーティストがすばらしい創造性を発揮するためにも、経済的な課題は解決する必要があるだろう。

☆しかし、そんな発想はどこから生まれてくるのだろうか。それは日本にいて独りで芸術活動をしていても気づかないだろう。

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☆どうやら、Sさんは堪能な語学力で、世界の芸術の旅めぐりをし、そこで多くの国の友人と遭い、今も対話は続いているというから、そこで大きなヒントを得たのだろう。大学や海外の大学院に進むために英語は必要だが、その前に、多くの国の友人との出会いは語学力が拓いてくれるのだと。多くの国の人との対話は世界を広くするというのだ。

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☆そして、Sさんは、自分自身のファッション・デザインのルーツであり、メンタルモデルでもあるオードリー・ヘップバーンの言葉を紹介してプレゼンを終えた。

「機会はそうそう巡ってくるものではないから、その時がきたらつかみとらなくっちゃ!みなさん今がそのときですよ」と。

☆満場の拍手喝采!OGこそ特別宣伝部長でもあるのだと大いに感動、感激、感銘、感嘆・・・。そしてSさんが卒業したその年から、富士見丘は、Sさんのような生徒をたくさん輩出しようと不易流行としての大改革が始まったのである。

☆今年富士見丘は創立75周年を迎える。まさにその「とき」がやってきた。(完)

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