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2016中学入試動向ウオッチ【085】 初期値設定情報誌“Catch”の読み方(4) 私立学校の別学発想!

☆小学校5・6年生のための進学ガイドブック“Catch”には、私立学校の大きな特色として別学が多いということが挙げられている。そして、男子校、女子校、共学校のイメージの違いに関する見解を2ページにわたって解説している

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☆イメージや実際の現象として、実にわかりやすくまとまっている。

☆私は、そのようなイメージや現象を、心理学のTA(交流分析)の考え方で、斜めから考えてみたい。

☆一般に小学校までは、子どもたちは社会に規定された保護者の社会人ルールで育てられるから、その時々の社会のルールに準ずる人格形成がなされる。

☆TAは、自我を形成する要素を、大きくPとAとCにわけ、さらにPをCPとNP、CをFCとACに分類する。その大まかな分類や特色は上記の表を参照して欲しいが、ともあれ、これらの要素が複雑系でからみあっているわけだ。

☆ところが、20世紀型社会は国家資本主義的あるいは近代官僚主義的な安定性を求めるから、男と女の役割を固定したがってきた。そのような社会の中で生きていくには、20世紀型社会化が必要だった。

☆それゆえ、効率が良いのは、子どものころから家庭や学校で、20世紀型社会化がなされてきた。男の子らしく女の子らしくというわけだ。

☆ところが、社会の歯車になるのは、ちょっとまったという価値志向の家庭は、いつの時代にもいるわけで、彼らは、男子校、女子校という別学が多い私立学校を選択してきた。おそらく無自覚的にだろうが。

☆一般に公立学校で初等中等教育を過ごすと、モチベーションが高かろうが低かろうが、CPとAとNCの要素で形成された男子が成長モデルになる。

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☆この3つの要素の強度によって、自己に厳しい重責を担う男子に育つか、反抗的な男子に育つかということになる。

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☆一方女子の場合は、NPとAとNCの要素で人格形成され、やはりその強度の違いによって、典型的なタイプとして、献身的な女子、自分のことにしか興味のない女子が育つ。もちろん、男子も女子も、強度の無限の違いによって様々な個性が現象する。

☆20世紀型教育は、知識と論理を重視するから、人格的にはAとNCの強度のによって、その結果、つまり偏差値が決まる。

☆すると、あとは男子はCP、女子はNPという役割分担が成立してしまう。この固定された自己の構成要素の組み合わせで一見無限だが、枠組みが決められている限界内で人格が形成されてきたのである。

☆ところが、その男子女子という役割分担の固定が、様々な問題を起こし、臨界点に達してきていることはここで説明するまでもないだろう。CPの高低の差だけでではなく、これに善悪という正義を重ねると、CPが低く、正義として悪と判断される力が働くと、DVが起きたりしてきたのだ。

☆女子の場合も、NPが低く、正義として悪と判断される力が加わると、父親から子どもを守ることができず、父親のDVに同調してしまうという事件が起きてきた。

☆役割固定とは、本来の人間を育てない壁を幾重にもつくることになる。それが心のベルリンの壁となってきたのである。

☆本来は、女子であれ、男子であれ、5つの自己形成の要素を遭遇する事態に合わせて、組み合わせを変えながら、人間関係の問題や国家間の紛争を解決できるバランスが重要である。

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☆特にFCの要素を高めかつ正義として善と判断できる力を身につけることによって、21世紀型社会や21世紀型教育が求める創造的才能を高め、リーダーシップを育てることができる。

☆それには、20世紀型の男子CP-A-NCモデル、女子NP-A-NCモデルという役割固定=心のベルリンの壁を崩す必要がある。私立学校はすでに20世紀社会において先見性を発揮して別学教育を実施していたのである。

☆しかし、21世紀にはいって、ICTの発達により、心理学分析も簡易になり、共学校であっても、このような分析をしてモニターしていけば、心のベルリンの壁を崩せるようになってきた。公立学校ももちろんやろうと思えばできるが、正義判断が入る段階で、宗教教育が入り込む可能性があるため、公立の現場では慎重になってしまう。

☆一方私立の場合は、建学の精神が正義判断そのものであるから、まったく躊躇することはない。実際順天や工学院は、共学校であるが、TA分析を定期的に行い教師―生徒―保護者の間でシェアし、1人ひとりが創造的才能者としてのリーダーになる人格をクリティカルチェックしている。

☆またかえつ有明は、中学時代は授業は別学で行い、中学時代に創造的才能者としての人格を形成して、高校に接続する。高校段階では授業も共学だ。

☆高校入試で入学してくる生徒のために、プロジェクト科という創造的才能者としての人格を形成するプログラムを独自につくりあげ、実施している。このプログラムの理論的拠り所は、NVCやU理論であると金井先生、佐野先生は説明してくれた。

☆21世紀型社会にシフトするとき、20世紀型社会が必要とする人格モデルをそのまま活用するわけにはいかない。私立学校の別学発想は、共学であっても、プログラムデザインというシステムで持続可能にできる。

☆このようなプログラムデザイナーが私立学校には存在するということが、私立学校の別学発想の肝である。

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