やはり桜丘が開成を超えるときが来た。
☆そんな折、フューチャーインスティテュート株式会社の為田さんのブログとKDDIの技術者野本さんのブログに出遭った。お2人とも学校のICT教育に詳しく、丁寧に取材をしているITジャーナリストでもあるのだと思う。
☆学校の教育活動のうち、ICTを活用しているシーンに絞って取材レポートが掲載されるのは、受験情報誌にはほとんどないことである。もちろん、21世紀型教育を取材していけば、ICTは21世紀型スキルの必須ツールとして活用されているから、今後はそのような記事も掲載されてくるだろうが、いわゆるライターの目だけではなく、ICTに詳しい見識も兼ね備えている目で記述されるという点でやはり貴重だろう。
☆そなことを思いながらお2人のブログを読みながら、川上量生さんの著書を読みながら、ふとブログに掲載されている桜丘と開成の共通点に気づいた。
☆それは、両校ともICTをリアルコンテンツとネットコンテンツを教師と生徒が活用する半ば閉じられた半ば開かれたプラットフォームを学内で構築しているという点だ。
☆違いはと言えば、桜丘の方が最先端のICTを活用しているし、800台以上のiPadが学内で稼働しているので、プラットフォーム内のオリジナルコンテンツが際限なく増殖しているという点。それと思考を見える化するアプリをがんがん使い、アップル社やそのほかのICT関連企業の協力をたくさんもらい、近大をはじめ最先端ICT教育を行っている学校とのインタラクティブな知の交流もあるということか。
☆でも、基本はリアルコンテンツとネットコンテンツを統合した学校内プラットフォームを創っているということ。このプラットフォームで取り入れられまた産出されるコンテンツとは理解の過程、思考の過程そのもの。
☆もちろん、教材という物質化はされるのであろうが、その物質化を促進する創造的過程、物質化を氷解させる分析的過程などがコンテンツである。メタコンテンツといったほうがよいかもしれない。
☆ここまでくると、桜丘と開成のこのプラットフォームの充実度は桜丘に軍配があがる。ということは?
☆入学時の知識量や偏差値スコアのデフォルト値は、たしかに開成の生徒の方が高いかもしれない。しかし、イノベーションは脱技能化がセオリーだから、その差を埋めるあるいは乗り越えてしまうスキルをもたらす。
☆よって、プラットフォームのイノベーション度の高さによって、初期値の差を埋めることは可能だということではないだろうか。
☆まして、プラットフォーム構築にかかわる人材の多さは桜丘は実に豊か。この協調システムを背景にした最先端のイノベーションを活用している桜丘で育つ中高一貫生は、6年後開成を乗り越えてしまう創造の翼を広げる可能性がある。
☆それは、2020年大学入試改革がはじまる時期にマインドセットされているというのも、桜丘の戦略はなかなかおもしろいのではないか。
☆もっとも開成は、同窓力と生徒自身の好奇心が、学校当局がどうあれ、桜丘で行うことを自分たちで防衛するだろう。
☆しかし、ここに学校ではなく個人によるエンパワーが開成という学校を必要としなくなるパラドクスが横たわっている。
☆2020年問題は、大学入試改革どころではない。学校の在り方が問われているターニングポイントになっているだろう。
☆おそるべしイノベーション!ICT!今度機会があったら、ICTを活用した学びの未来構想の根っこをお2人に聴いてみたいものである。
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